米沢嘉博/戦後エロマンガ史

戦後エロマンガ史

戦後エロマンガ史

  • 感想:読了日04/27

 あまりの密度に読み終わるのに二晩を費やしてしまいました。未完となってしまったことはただただ悔やまれますが、再び規制強化に走る条例案論議される中での出版は著者も喜ばれているのではないかと思います。エロ収集の大先輩のコレクションのおかげもあって80年代からの作品と多くの接点がある私にとっても、今まで何度となく経験してきた表現と出版規制を改めて思い起こすことになりました。性表現の浄化を正しいと信じ、妄想と現実の区別ができない宗狂集団との戦いはこれからも続くことは明らかなわけですが、私自身は最終防衛ラインである購入者の立場を今後も途切れないようにしていきたいと思います。成年マーク付コミックですら10割を購入することは今後もできるとは思いませんが、食うためだけじゃなく描きたいものを形にされたコミックだけは買い逃すことがないようアンテナを張り続けていきたいです。
 内容については他にも思うところはいろいろありますが、ガキデカの山上たつひこ氏は私にとって少年誌作家という印象が強かっただけにエロマンガ史に名を連ねる作家とわかったことは非常に興味深かったです。