ゆうきともか(旧名:友紀知佳)/ふたりの絆

ふたりの絆

ふたりの絆

絵:★★★★☆、話:★★★★☆、工口:★★★☆☆
 この作家はキャリア長いけど、変わらず甘々の話を書き続けておられます。デビュー当時から絵は水準以上あったと思うし(当時の本はもう手元に残っていませんので確認できず)、話のほうも好きな純愛系だったのですが、意外に単行本はあまり持っていません。今回は気まぐれに、変わらず頑張っておられることに敬意を表し、手に取った次第です。元々新人発掘のほうが好きなので同じ作家の本はあまり買わない主義ですから、嫌いじゃなくても買わないことは珍しいことじゃありません。それでも、この方の漫画、特にストーリーには物足りなさを感じていることが少し影響しています。どこかで聞いたような話、ややストレートすぎてひねりがないオチが多いという印象、ちょっとクサいセリフが気になるのです。※ベテラン作家故の高い要求。
 それでも、毎回違った話を書こうという気持ちは感じられるし(というか長編が苦手?)、手抜きの絵だと感じた作品はないし、ストレートな展開や固いセリフはまじめな恋愛関係の男女を描く話が多いため決して合ってないわけじゃありません。これがこの作家のスタイルであるし、これをこれだけ長年続けられていることにこだわりも感じます。ただもう少し長編も書いてキャラクターの肉付けがあるともっと話が楽しめると思います。魅力的なキャラクタが出てきても、すぐにHに突入してあっさりしたエンディングを迎えたまま消えてしまうというのは何となくもったいない気がするのです。この本も成年マーク入りではないのだし、もう少しストーリー(もちろん工口系)で読ませる長編漫画に挑戦してもらえると買う楽しみが出てるのですが。ちなみにまだ購入していませんが艶の情景 (富士美コミックス)は表紙絵を見る限り、いつもより年齢が高めの女性が出ているようだし、新しい作風に挑戦されているのかも。チェック不足でした。
 この本では、AV女優(EDがおしい)、おさななじみの年上女性(この作品が一番良かった。オチは・・・(-_-;)、奥手の恋人(初体験)、思い出の女の子(アダルトグッズを開発する教授って設定がいけてない)、家庭教師(展開がお約束過ぎる)、幼馴染の年下女性、奥手の恋人(初体験。3話目とかぶってます)、水泳インストラクター、恋人1年目、女性漫画家(2番目によかった)、とシチュエーションのバリエーションには配慮されてました。ただ先に話したように、全体的にまとまりが良すぎるのか単調に感じるところがありました。見てのとおり評価は低いわけじゃないのですが、何か足りないと感じるのでやや批判的になってしまいました。