松文館裁判敗訴

 先日、松文館事件の判決が出たようです。検察OB議員の顔も立てる必要もあったし、無罪としたときの各方面での拡大解釈によるモラルハザードを避けようという意識も強く働いたのでしょうか。もっとも新しい発想や解釈をする力が皆無に見える最高裁裁判官たちが深く考えたとも思えませんが。そろそろ最高裁の老人判決はなくてもいいんじゃないかと思ってしまいます。前例だけを引用する機械(があれば)と結論は同じなんですから。法律条文に対して新しい視点を持つことのできる、新しい脳を持つ地方裁判官の方たちにはがんばってほしいと思いますが。ともかく、検察が絶対に有罪にしようと働いたら必ず有罪になるという一例がまた増えました。この国ではグレーはすべて黒にできるので...。
 なんだかストレートな物言いを避けていたら、この国で起こった過去のいろいろな事件を思い出し、不愉快になってしまいました。
 ちなみにビューティーヘアさんはその後も健在ですが元々工口く感じなかったのにますます感じなくなっています。可哀想でなりません。私も事件の対象となった本を最後に4冊しか持っていませんが、ほんとに不幸な事件でした。あの絵をどうみたって、絵の勉強をしてきた青年が懸命に裸体を描き込んで工口スを表現しようと努力しているだけなんですから。雑誌読者の嗜好に努力して合わせようと作品を作られている点では犯罪的要素なんてまったく感じられませんでした。
 今はケーブルテレビで見られる実写アダルト番組でも消しは非常に薄くて、遠くからぼんやり見ていると無修正のようです。特定の人物に似せたわけでもなく明らかに空想の人物絵を取り上げて、猥褻かどうかなんていう曖昧なことで表現の自由が制限され、犯罪者扱いされるのに、その一方で官公庁の連中は国有財産の低価格譲渡や空出張や空手当ての公金横領で私腹を肥やしてもばれたらトップが頭下げるだけで済むんですから、ほんとにいい国です。
 どうも海外から帰ってくると、どこの国の政府・官公庁も腐ってるのに日本の腐り具合だけはダントツに見えてしまいます。何も気づかず考えず行動もしない国民が多いことをいいことにやり放題なのが気に障るせいでしょうけど。
 今日は変な日記になってしまいましたが、こんな話はここまで。