ヤマグチノボル/ゼロの使い魔13 聖国の世界扉(ワールド・ドア) (MF文庫J)

 カラマーゾフの兄弟を読んだ後はやっぱりこういう作品でバランスをとらなくては。でも、前巻で最後にしようかとも思ってたくらいなのであまり期待しないで読みました。とにかくノリ重視で。
 でも読んでみると前回の中身の乏しさに比べれば、かなり前進した内容ではなかったかと思います。いよいよ4人目の虚無の担い手が登場し、また新たな戦いが始まろうとしています。率直にいってアンリエッタの政治能力の無さが目立ち始めた頃から彼女の魅力は失われる一方でしたが、今回は全くの脇役になりさがってました。話を展開させるための小道具って感じでしょうか。もうちょっと楽しみにしていたキャラだったのですが残念。ディファニアはこの巻は実質何もありませんでしたが、最後には虚無の担い手として何かすごい隠し玉を披露しそうな前振りはありましたが、とにかく今のところ何も活躍させる予定もなさそう。結局物語としてはやや進展はありましたがキャラクタの掘り下げは浅いまま、なぞをいくつか明かしただけで2択のどちらかでエンディングを迎えることになるのでしょうか。ルイズとサイトの関係は大きく進展したのかと思わせた時もありましたが、結局サイトの涙ひとつ見ただけでああいう対応をしてしまう程度の理解しかないというのは完全に醒めてしまいました。この辺は評価分かれるところだと思いますが。なんか疲れのせいか、いつも以上に評価がちぐはぐですが、なんか無理やり話を引き伸ばしさせられて、なんかよくわからないままに話が終わってしまった感じです。魔法のある世界でこんな言葉を言う自分もバカですが、やや展開が理不尽。心理的にも政治的にも。素直に楽しめなくなってきました。はっきり言えばヤマグチ氏の考える『愛』は私には理解できない気がします。
 しかし、通勤用に購入していた本も恩田さんのを読み終わったらタマ切れ。新刊の注文自体今月に入ってからしてません。とにもかくにも今の状況を改善しないと何にもやる気がしないし...。
 とまあ、あんまり気分転換になりませんでした。ラノベは読みやすさを良さとする反面、やっぱり短いすぎる気がします。月イチ連載ならこれでもいいのですが、このペースの刊行で、話がほとんど進まないとちょっとイラッときました。