鳴子ハナハル/少女マテリアル

絵:★★★★★、話:■■■■■、愛:♥♥♥♥♡、次回作購入意欲:♪♪♪♪♪

少女マテリアル (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

少女マテリアル (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

 ということで気づいたら本を予約していた書店に居た次第。しかし、出版社も気合い入ってますね〜。半透明の帯なんて成年漫画では初めて買いました。ちなみにその帯に複製原画申込券がついているので初版以外では普通の帯に戻るのかもしれません。カバーもすごいね。厚みがあって単色絵の描かれたカバー裏から表のカラーがまったく透けて見えない。そして、いよいよページをめくると、古い木造の建物の前にスカートをピラとめくった、少女のイラストが…。この女の子、半透明の紙に挟み込まれるように裏から2度刷りされていて、めくると彼女の体で隠れていた場所に○○と△△が。あどけない顔の少女が素足で何をしていたのかと思えば、実は・・・という、1枚絵でこの本のテーマを表現しているんでしょうか。
 それにしても、カバー絵からここまでの数ページは非常に贅沢なつくりです。お値段1365円(税込み)ですがページ数は210p余りと特に厚いわけではないため、この装丁に掛けた費用の結果なんでしょう。作者にとってこういう本を出せるのは幸せですよね。もちろん、本編のほうも雑誌掲載時にカラーだった原稿はそのまま、いやむしろ、サイズが単行本サイズに縮小されて紙質が良い分、綺麗に見えます。これだけの本を数多く創るわけですから延期したのも頷けます。
 そして内容はというと、すぐに気づくのが消しがほとんどない点。思った以上に印象が変わり、白黒原稿などは雑誌ではきれいに消しすぎてて何にも描いてなかったと思われる場所がくっきり〜(w 私はすぐ脳内補完してしまうのか、普段コンビニ誌でも消しの強弱があまり記憶に残らないのですが、鳴子氏の作品は全く描かれてない印象があっただけにこれは結構きましたねぇ。なるほどこういう風に描くのかぁ、思ったよりクリがでかいなぁ、などと暫し鑑賞したりして(^^; 作品のほうは「ヒタイ」以外読んだ記憶がありましたが話としておもしろい良作を揃えているので初成年向け単行本として私は良いチョイスだと思いました。ヤルだけ漫画も悪くはないのですが、やはりエロ度は格別高いわけではないので、この豪華な装丁や絵にまけない内容で固めたことで本としてまとまりが出たと思います。それでも1度くらいしゃがんで立てないくらいエロい作品をこの絵で読みたい気はしますけど、それは今後に期待します。こういう絵の描ける作家の中では抜群にエロいと思いますけどね。カラーの折り込みイラスト&ショートマンガの最後の絵なんてかなりいい感じです。
 最後に、と○のあなの限定小冊子ですが表紙絵を除く6pのペラ本。というか最初見たときイラストカードかと思いました、薄くて。いえ、いいんですけど。それと初回配本限定のサイン入り複製原画申込要項が書かれたカードの価格を見て、うっ、と一言。しかし、296×692ミリで高品質版画なら悪くない値段なんでしょうね。