TANA/キミの瞳に欲情(コイ)してる♥ 初回限定版
絵:★★★★☆、話:■■■■■、愛:♥♥♥♥♥、次回作購入意欲:♪♪♪♪♪
- 作者: TANA
- 出版社/メーカー: 茜新社
- 発売日: 2008/08/08
- メディア: コミック
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表紙絵の女性は表題作品のヒロイン 楠木冴さん。縄が細すぎ気がしますがあまり締め付けてはないのでアクセサリーみたいなものかもしれません(w そのカバーをはずすと同じ構図で更に辱められているカラーエロ絵。作中でも何度か登場しますが、この文字を体に書き込んで辱めること自体陵辱ものでは使い古されたものですがラブラブでデレデレのお話にこの表現を使った作品を初めて見たときかなり驚いた記憶があります。肉便器扱いしながら同時に深く愛するというのが現実にできるかどうかは別にして、工口マンガ的にはおもしろい表現だと思いますね。また、表紙をめくるとカラーイラストページが10枚もあり天魔やアンリアルに掲載された作品の一部は記憶に残っていました。その作中のイラストは世界観や色づかいが良くて記憶には残っていたものの人物の顔は他の作家を思い出させるものがいくつかありましたから、表紙絵の顔や乳の形に(結構好き嫌いがあると思うのですが)個性が出せている点は良かったと思ってます。処女作から3年。そろそろ絵柄が安定してきたかもしれませんが、持ちキャラを増やす形でまだまだ色んな顔を描いてほしいなと思います。掲載作品には表題作以外にTANA氏の名を覚えるきっかけになった「世界にない場所」が収録されていました。この本は茜新社からの出版ですが他社掲載されたものを含めて処女作以来の作品がすべて(?)楽しめる内容になっており、好きなひとは言うまでもなくTANA氏の作品に興味ある人にも必携の本になっていると思いました。
その「世界にない場所」という作品はアドレア王国の王女イリスとクロス王国の王子アレンとの悲恋物語。婚礼の目前に突如現れた魔物にさらわれた姫を救うべく討伐に出た王子も囚われの身に。そこで見たものは魔物に寵愛を受け自らの身体をも変えて性欲に溺れる姫の姿。エロゲーで何度もプレイしたようなシチュエーションではあるものの、その魔物の正体やイリスの言葉をたっぷりのネームで読ませることで王子のその後の行動も哀しいことではあるけれども理解のできる深いお話になっていたと思います。ラストの絵も残酷なようで、私には安らかな王子と王女の顔がすべてを語っているようにハッピーエンドであったと思っています。こういう話は深読みしすぎると泣けてくるのでさらっと流してしまいますが。
それから表題作の「キミの瞳に欲情(コイ)してる」が次に出会った作品でしたが、天魔は毎号買ってなくて初見が第3話でした。ある程度想像はできていたものの導入部からようやく読めて満足しています。敢えて3話から読み始めると思い出すのですが、どうみてもかなり調教の進んだ肉奴隷がおあずけをくらって我慢しきれなくなっている風なのに、ご主人(?)である学(まなぶ)がどうして抱きしめてもくれないしキスも簡単に済ますようになったのかというと実は・・・(笑)全然強そうじゃない学がどういう経緯でこんな関係を冴と築くことができたのか非常に興味を覚えたのです。冒頭にも書いたように身体に貶めるような言葉を書きまくる陵辱演出にお互いをむさぼるように求める『熱病』のような行為。ひとつひとつは定番の演出でもそれを畳みかけるように魅せ続けることで濃厚でハイテンションなラブエロストーリーに仕上がっていました。その他ドラマCDにも登場した「ふうふのヒケツ」や処女作「らぶ・フレグランス」などどれもいい作品ばかりでした。
今後は今以上にもっともっとオリジナリティのある作品を読ませて欲しいと願ってますが、特に「世界に…」のような世界観を持つ作品を長編で読んでみたいですね。ファンタジー系は安易に触手を持った魔物が登場し人外*1の力でイカせまくるだけの粗悪な印象が強いのですがTANA氏にはそうならない何か期待できるものを感じてますので。
なおゲストページにはエレクトさわる氏、左氏*2、RIKIさん、EZ6さん*3の4名からお祝いイラスト。その後には楠木さんのOL姿(さすがにないって 笑)のイラストと手記で綴った「楠木課長の憂鬱」というおまけ作品。同人誌ではこういう系統の作品を描いてるんでしょうかね。どこまでも充実してます。