藤本圭/黒猫の愛読書 I 隠された闇の系譜(ジェネオロジー)

話:■■■□□、イラスト(Dite):★★★☆☆、次回作購入意欲:♪♪♪

 懲りずに受賞*1の文字につられて購入(最近ラノベは新規発掘意欲なし...)。本の声を聞くことができる能力を持つ主人公の紙村綴(かみむらつづり)は分厚いメガネをかけた内気で目立たない図書委員の女の子。まあこの時点でメガネ外したら美人なんだろなと。
 ある日図書室に残って貸し出し係をしていたところ、『嵐が丘』の下巻がないので誰か借りっぱなしになってないか調べて欲しいという要望で貸し出し記録を確認。後日その借り主の少女が駅のホームで飛び込み自殺したとの知らせが入る。更に、過去にこの『嵐が丘 下巻』を借りた人すべてが亡くなっているという意外な事実が発覚。また、借り主が死んだのに本が返却されているという不可解な謎も…。イケメン(?)稀覯本探偵(貴重な本を探す探偵)も登場し、ミステリーかと思ったら、魔導書をめぐるファンタジーもので、本にまつわる連続自殺も真相は現実的にはありえないものでした。
 文章は少し私を置いてけぼりにするくらいテンション高くて(=おおげさ)、ちょっと没頭して読めなかったところがありますが、それよりも、ヒロインの綴があまりにも無力で読んでてイライラしてしまいました。敵と対抗できる力を秘めてるらしいのですが、それは次巻以降に見せるのでしょうか。不発で終わった気がします。それと、先日読んだ本と同様バベルの塔の話が出てきてネタがかぶった感もあり、世界観がイマイチ広がらない印象を受けてしまったのもマイナス。2巻は読もうと思いますが。

*1:第12回スニーカー大賞 優秀賞