月野定規/痴情の女(ひと)

絵:■■■■■、話:■■■■■、愛:■■■■■、次回作購入意欲:■■■■■

痴情の女 (メガストアコミックスシリーズ No. 211)

痴情の女 (メガストアコミックスシリーズ No. 211)

 1年半ぶりの新刊は読み切り短編集。エロ過ぎると声を漏らした作品群が1冊にまとまりました。決して痛みつけるようなことをしているわけではないのに、まさに暴力的な凌辱や鬼畜な調教を受けているように(ある意味そのとおりか)女性たちが肉奴隷へと変貌していきます。圧倒的な官能の力に落ちるところまで堕ちた女たちの表情や反応はハイレベルな演出によって私を作品に惹き込み、極上の実用本に仕上がっておりました。何がハイレベルって、見たいシーンやアングルが期待以上の迫力で次から次に繰り出されるし、肉と肉の絡まり合いというか締まり具合が伝わってくるんですよね。絵の技術ももちろんですがそれを表現できるのはやはりセンスなんでしょうねぇ。
 どの作品もいいのですが、個人的には「魔法の杖」が一番好きかなぁ。シチュエーションは弱みを握られた人妻が男の脅迫でセックスを強要されるお話で楽しいものじゃないんですが、上記の要素がふんだんに含まれていて一番エロスを感じました。僅差で「1度だけ…♡」も「ナツカゲ」もいいですなぁ。まあ、人妻エロス好きーな人向けばかりじゃなく、妹や女子学生でもたっぷりエロがありますので心配無用。いい仕事してます。
 で、これだけ最上級のエロスが詰め込まれると、逆にはずせないシーンや表情が増え、やや似ている演出のように感じることもあります。作者固有の共通する演出こそが作風であるのに、それを似ていると表現すること自体がおかしいと思うのですが、月野氏には無意識に更に先の誰も見たことがないエロスを求めているような気がします。トップランナーのみに要求される重圧もあると思いますが、今後もこれまでどおり期待に応える作品を生み続けて欲しいです。