田中ユタカ/愛しのかな

愛しのかな 3 (バンブー・コミックス DOKI SELECT)

愛しのかな 3 (バンブー・コミックス DOKI SELECT)

  • (10/27読了)絵柄&魅力:★★★★★、設定&話:★★★★★、愛&エロス:★★★★★、総評&次巻期待度:★★★★★

 終わってしまいました。エンディングは個人的にはこれで満足。いつか大吉くんが年老いた時にどうなるのかとか考えることはたくさんありますが二人の気持ちは永遠に続くというメッセージを受け取りました。幽霊のかなが「生きてるって いーいよね♡」と言うシーンが好きですね。ラストの言葉も心に染みる。こういう話をいろんな意味で現実離れしていると感じる人もいると思います。「愛人[AI-REN]」もそうですが、今回もヒロインの女性だけは普通の人間じゃありません。幽霊だったり人造遺伝子人間だったり。田中ユタカ氏の本意じゃないとは思うんですが、現実にはここまでピュアな女性はいない(この世界に存在することができない)、だからこそ男達はひとめで彼女に心を奪われる、そんな説得力があるように私は感じてます。純愛に生きる現実の難しさみたいなものも、ふと考えてしまいました。絶対にできないと思いますもんね。だからこそ、田中氏の作品の世界でしばし幸せな時間を過ごせることを嬉しく思います。
 唯一、気になるのが、新しく加わった住人 詩子さんのエピソードでの話。見るからにうさんくさい男がストリートで歌う詩子さんにリクエストをするのですが、歌い終わった後の男の一言が全く理解できない。このシーンの意味も理解できていません。こんな奴が現実に居るだろうということに異論はないのですが、単にそんなことを示したいだけでもないだろうと思うし、少し理解に苦しんでます。