葵東(あずまあおい):著者、蔓木鋼音(つるぎはがね):イラスト/魔法の材料ございます(2) ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚

  • (読了日11/27)総評★★★★★: 畳みかけるように起こるピンチに立ち向かう三代目。テンポよく事態が変化し、ラストまでいい緊張感がありました。そこまで主人公を追い込んで収拾つくのかと心配するほどでした。個人的には「狼と香辛料」以来の商売ネタを扱った作品*1という点でも注目しているシリーズですが、「狼の…」の作品の影は全く感じさせずにこの作家自身の世界観を楽しむことができる内容になっており、読み終わる度に時間を楽しみにしています。

 昔の話ですが、原作より先にアニメーションのロードス島戦記をはじめて見たとき、魔法を唱えるのに時間がかかっているのが極めて新鮮で感動を覚えたものです。それまでの私は、唱えればすべて問題が解決するような文字通り「魔法」だったものがその時初めて格闘技や剣術と同様にセンスや経験等を積んで身につけないと役に立たないというものに変わったのだと思います。この作品でそこまでの新鮮な感動があったという話ではないのですが、魔法や魔術あるいは魔導を作家自身の中でしっかり消化して世界を構築されてる気がして好感を持っています。魔法とか魔術も昔は一緒くたにしていて、そもそも子供の頃は魔法少女モノってクリーミーマミ*2くらいしか見た記憶がないのだから仕方ないのかもしれませんが*3…。違うものだと認識したのは、多分『Fate/stay night』。

*1:たぶん他にもたくさんあると思いますが

*2:あれ以来、未だに高田明美さんのイラストが好きなんですよね

*3:小説で指輪物語などを読むようになったのは大学生以降だし