高橋鐡/「りんが・よに」−男女両性器の精神肉体学的深奥分析−

1955年5月 非売品
話:★★★☆☆
 これは自費出版本でちょうど買った本には100冊目の通し番号が記されていました。サブタイトルでどういう本かは想像できると思いますが、ずばり精神と肉体(性器)の関係を論じた本です。少し前に日本でもミニシアターで公開された「愛についてのキンゼイ・レポート」の主人公アルフレッド・キンゼイとも交流があり、(自称?)日本のキンゼイとも呼ばれた彼の本になります。なお、りんがとは男、よにとは女のアレのことです。
 興味深い話が多く、例えば、ボルチオが圧覚(圧を加えられたという圧点の感受性)と温覚が相当にあるという話などは、よく工口漫画で描写される女性の感覚を少なからず理解するのに役立ちますね。こういうことを真面目に記載している学者さんの本に出会うことはめったにありませんから。また、男性側の話も詳しく論じられており、この歳にしてきちんとした性教育を受けた気分でした。今更ですけどね。