永山薫(別名&本名:福本義裕)/エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門

エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門

エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門

2006年11月3日第1刷、2006年12月24日第2刷
 エロマンガの書評総論とでも呼べばいいのでしょうか。とにかく広く読んでるなぁ(それが仕事の一部とはいえ)と素直に感心しつつ、興味深く楽しく読み進みました。私も相当年季の入った読者なのかもと思ったのが、本の中で名前が挙がった作者で知らない人はほとんどいなかったことです。ただし作品のほうは思った以上に未読でした。もう手元に残っていない本も多いので作品名を忘れているだけかもしれませんが。ジャンルについては細かくカテゴライズして主要なものは網羅して話をされており私から今更付け加えることはないように思いますが、しのざき嶺の「ナイトメア」シリーズは鬼畜系のマイルストーンとして個人的には追加したいです。馴れはしたものの当時初読みしたときの衝撃はかなりのものがあったと記憶しています。それから東京都(あずまきょうと)さんらが活躍していた頃に出版された少女ものの鬼畜改造系で未だに頭から映像が消えない作品があります。作品名や作者名は忘れられたのにその強烈な内容は自分にとって当時新しいジャンルのひとつだったように感じました。実際肉体改造系のマンガが古くはいつごろから描かれるようになったのかはわかりませんが。
 さて、本中でネオ劇画(鬼ノ仁や)と昔の三流劇画との比較がされていましたが、私が初めて読んだ工口マンガもその三流劇画でしたが、その作品のあらすじを多少覚えています。テニスの男性コーチが女生徒(ご婦人方)に試合形式で指導しているのですが、打ち返す球がすべて女性の股間や胸にあたるのです。ただそれだけの描写がひたすら続くのですが、徐々に感じていくそのさまは何か淫靡で子供ながらにドキドキしたことを覚えています。Sexシーンなどはなかったような気がします。今回、こんな昔のことを思い出しながら楽しめた一冊だったと思います。この機会に古い作品などを読み返した感想なども書いてみたいと思います。