ゴージャス宝田/ありすブレイカー (FOX COMICS), おもらし姫 (別冊エースファイブコミックス)

ありすブレイカー (FOX COMICS)

ありすブレイカー (FOX COMICS)

絵:★★★★☆、話:★★★★☆、工口:★★★★☆
2005年1月22日初版第1刷
 昨夜読んだ書評でも口りー夕ジャンルの作家として取り上げられていた方です。猟奇モノは見るのが痛いため好きじゃないのと同じで、精神的に幼い子供が自己中心的でずるい大人にいいようにされている話は読んで痛むものがあり嫌悪感が先に立って楽しめることがありません。ところが宝田さんの漫画は違うんです。登場する女の子は可愛くけなげで明らかに幼い見た目どおりの少女なんですが、ちゃんと好きな男性に対してドキドキしながら自分の気持ちを伝えるし、その上で肉体的にも対等であろうと行動するから、幼いはずの少女でも何となくその行為に説得力を与え、魅力的に見えるのです。絵柄は決して洗練されたものじゃないように思ったこともありましたが、作品を読みはじめてからはむしろこの絵がいいと思うようになりました。実際安心して読める作家のひとりです。
 個人的には女性の気持ち抜きの行為は男の自慰に等しいので見たくないですね。思う気持ちがないのなら、むしろゴブリン氏が描くように徹底して女を道具扱いにするほうがマンガとしてしっくりきます。ちなみにこの本を取り上げたのは実質的にこれが宝田さんの初単行本だと考えているからです。あとがきにもありますが単に先の2冊が同人誌の再録ということもありますが、今とは違ってひどい話なんです。
おもらし姫 (別冊エースファイブコミックス)

おもらし姫 (別冊エースファイブコミックス)

絵:★★★★☆、話:★★★★☆、工口:★★★★☆
平成17年9月25日第1刷
 さて、もうひとつ選んだのがこの一冊です。この作品もまさに先ほど書いたような女の子が登場し、ちょっと幸せな気分になれます。このころからちょっと絵柄が変わってきたような・・・?(単に手抜きが多かっただけかも) 遠目には同じじゃないの?という人も多いかもしれませんが、この2005年は3冊も発行して頑張りすぎた影響かもしれません。
 この後、しばらく単行本が出ておりませんっ。が、とりあえずCOMIC XOのほうで連載されてますので安心(背表紙に大きく名前が書いてなかったら気がつきませんでしたが)。しかし隔月連載なので、10話以上までまだ暫く掛かりそうです。今年の年末ごろですかね。ちなみにこの連載は結構好評みたいで、連載に気づいて購入した2007年1月号では、見開きの大噴射(なんのことかわからんでしょうが、知りたい人は単行本をお楽しみに)は圧巻でした。絵だけでなく話も濃くて、ますます活躍が楽しみになっています。