Clone人間/アルカディア (メガストアコミックスシリーズ No. 117)
アルカディア (メガストアコミックスシリーズ No. 117)
- 作者: Clone人間
- 出版社/メーカー: コアマガジン
- 発売日: 2007/04/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本ですが、冒頭に収録された「わたあめ」。祭りに出かけた親子3人。さりげない会話から夫の不能に苦悩し、静かに熱く刺激を求めている妻の心情が祭りの情景と重ねて綴られていきます。そのまま親子で帰りの電車に乗ったシーン。妻の表情が瞬間動いた様子を映した2コマの後、ページをめくると・・・。ブラボー。最高です。敢えて詳しく書きません。というか私にはうまく書けません、この工口さ。手で触れてる程度かと思うじゃないですか、普通。是非未読の人がいたら1ぺーじめの1コマめから読み進めて感じてほしい。ただ、この作品がすばらしいのはラスト2ページの夫のセリフ。そして最終ページで『フフフ…』と思わず漏れる妻の笑い。ひとつの愛ですよね、これも。
巻頭の作品だけとりあげましたが、3話構成で義母と息子の関係を描き切った「鬼畜に咲く花」も、本題の元になった少女と中年オヤジの愛を描いた「漆黒のアルカディア」。ともにエンディングまで一部の隙も感じない完成度で工口スを感じさせてくれました。ストーリーも実用度も非常に高いです。さらに、題名のまんまの話である「修学旅行で押し倒そう」では(現実には居ないのはわかっているんですが)実に可愛い女性を描くなど少女から熟れた女性まで思いのままです。
構成もいいですが、絵そのものの魅力を言うなら、体のラインもいいけど、やっぱり骨盤が浮かんでくるような尻でしょうか *^^*)。顔も昔は鼻をしっかり描かないのがリアル系の絵柄なために違和感あったのですが、最近は目にも力がついてきたし鼻を含めた顔全体の魅力がアップしてきました。加えて、(以前からですが)この作家の描くねじれた愛をベースにした独特の世界観もおもしろいし、心の声をうまくコマに入れる演出もいい。でも、一番の魅力は登場する女性がどれだけ乱れてもどこか品を残している(と個人的に感じる)点。結果としてどの女性も最後には漂う工口スが加わって美しさに磨きがかかってますし。女性が登場時より美しくなるのですから言うことないです。個人的に壊れ系より純愛系が好きなのもそういうところがあるからなんですよね。Clone人間氏の作品はややダークな話でも魅力アップした感じが出せてるように思うのはすごいと思います。