重松清/カシオペアの丘で(上)

カシオペアの丘で(上)

カシオペアの丘で(上)

 ほんとは下巻を読み終わってから書こうと思ったのですが、通勤電車内で読み進めているので、この巻を読み終えた時点の気持ちが風化する前に書いてしまうことにしました。
 男の子3人に女の子1人、そんな仲良し4人組が小さい頃冒険して見つけた、満天の星が見える「カシオペアの丘」。そこに遊園地を作るという幼い日の夢が叶った頃には、4人は昔のままでは居られなくなっていました。それでもある残酷な事件を境にして4人は再び「カシオペアの丘」で出会い、物語は下巻の佳境へ入っていきます。
 はしょりまくりですが、もちろんこの文章のままではなく、1冊を構成するだけのさまざまな物語が綴られています(でも2冊構成にするのは出版側の儲けを増やす以外に意味はあるのだろうか?)。帯に書いてあったように、肺の悪性腫瘍により40歳を前にして人生の「終わり」を告げられた男と、上記事件の被害者の男。死を題材にした小説は好きではないのですが、この2人がそれぞれどう影響しあって、どう生きていくのか大変興味深く、ストーリーに惹き込まれながら上巻を読み終わりました。重松氏のこれまでの作品から考えて、これだけの舞台をどうまとめていくか大変期待しながら下巻を読み始めています。