有川浩/塩の街

塩の街

塩の街

 作者はかなり昔から知っていたのですが、後回しにしている間にずいぶん時間が経ってしまいました。おもしろいだろうという期待はずっと抱いていたのですが..。
 で、やっぱり、おもしろかったです。元々ラノベの文庫本だったのが今回ハードカバーになってサイドストーリーもまとめられていましたので読み応えも改善していました。難を言うなら、最初の本編の量に対してサイドストーリーの量が多いので、本1冊を読み終わる頃には少し本編の印象が希薄になることでしょうか。最初から長編を書くつもりでサイドストーリーを本編に取り込んでいたらもう少し良かったかも。
 それにしても本編を読んでいる間、ずっと主人公の2人は40近い親父と17歳の少女だと思ってました。だからといって口リコンと思うこともなく、こういう関係もありかなぁ、なんて思いながら読んでました。実際には男は27,8歳で10歳しか変わらない設定だそうで。最近しぶいオヤジが出てくる本を読んでいたせいか、あるいは優秀なパイロットという設定だけで勝手な妄想に走っていたのかもしれません。
 それから入江というキャラはサイドストーリーを読んだ後も結局好きにはなれませんでした。なぜあのような性格になったかという裏設定が知りたかった。