板場広し/僕だけの唇

絵:★★★★☆、話:■■■■□、愛:♥♥♥♡♡、次回購入意欲:♪♪♪♪

[isbn:9784903714172:detail] もう1冊、5月購入の本の感想を。この本を買った頃、雑記で書いていた以上に疲労がひどくて、激しい工口描写の作品に気持ちがついていかないところがあり結局感想を書く時期を先延ばしにしていました。今読み直すと多少ダークではあるものの濃い目の表現を素直にいいと感じることできます。工口マンガは読み手にもある種のエネルギーがないと作品の価値を十分受け取れないことを感じました((もちろん感性やセンスが一番必要かもしれませんがそれは私には望みようもないので))。

 板場氏の作画でいつも注目してしまうのが男性器の描写。描き方はラフながら袋の裏まで毛をぼうぼうに生やしており、そうしている作家があまり思い出せないだけに印象に残るし結構工口的にプラス効果があると思ってます。実際、そんな大量に生えてるわけじゃないし、あまり男の側の毛を描くことは絵的にもきれいなもんじゃないと思いますが、板場氏の作品の世界感にはよい効果をもたらしていると思いました。「橋の下」という作品では1ページぶち抜きで描かれており、普通にこのことを気に留めずに読んでも注目させる迫力がありました。
 量産性と完成度のバランスでは抜きんでた実力を持つ作家のひとりだと思いますがカバー下の自虐(?)マンガ「オレちゃんの現実 その3」を読むと、このクラスの漫画家でもこの有様なのかと寂しい気持ちに(特に『メタボリック♡』の部分が...)。リアル過ぎて一瞬笑えませんでした(笑)