オークス/スクールメイト 〜3年4組の卒業アルバム〜(アンソロジーイラストストーリー)

 人柱モード発動。6月21日の日記に書きましたがオークスによれば新しいジャンルというこの本。裏表紙側の帯に『「ヌキ気MAX」のアナタに! 開いて秒で射精OK!』の惹き句。ヌキ気MAXって・・・、むしろ買いづらいでしょ! もちろん3秒云々は中坊ならいざしらず、まあ編集として多少は自信があるんだろうか、程度に考えました。カバー絵は個人的にびみょ〜。少し大きなB5版なのは絵に迫力を持たせるためかなぁ(プラス評価です)、とかいろいろ考えつつ、作家陣をチェック。記憶にあったのは、IRIE YAMAZAKI、水上桜榊原薫奈緒子ほりもとあきら、らする氏のみ。全17作家で1200円。まあ元々買う気はあったわけだし..、と購入。※袋入りしかなかったので中身チェックできず。
 で帰宅。さて、『開いて3秒・・・』はどれほどのものかと(いちおう期待して)ペラリ。シ〜〜ン...。色は塗ってるけどラフ画じゃないの?A6版ならいいかもしれないけど少なくともB5で魅せられる絵じゃない。文章も超びみょ〜〜〜。作家はキザキという方。まあこの2ページは1,2秒でスルーするんだなと解釈して次をペラリ。カバー絵のごっさ亭という方の作品。放送室で放映開始直後にオナニーする少女...。まあこれなら妄想をフル活動すればなんとかなるかも。ということで3秒では私的にはどうすることもできない内容でした。カラーページはこのお二人以外に、豹一兎さん、山崎かずまさん、榊原さんの3名。
 白黒ページになってからEz6氏の作品でようやくこのジャンルとして期待していたレベルのものが登場。それでもプロ漫画家とは思えない、同人誌アンソロジーの穴埋め担当のようなレベルの作品も多数見られ、結局、この方と、水上氏の作品ぐらいが許容できる出来。偶然二人ともページ数も多いのですが、このジャンルとして重要だと思っていた1ページごとの絵の迫力という点で評価してます。ただ最後に登場した、1ページに数シーンを描く、どくろさんという方の作品も表現としては悪くなかったです。字が小さくて*1ページ数以上に読み応えのある内容でしたし絵もラフなりに魅力は感じるものでした。今回、作家ごとに表現の仕方は違っているので、オークスからのオーダーもコマ割りを用いないことを制限したくらいでしょうか? 普通のマンガのように吹き出しを使う作家もいましたので。
 まあ読める(使える)作品はそれほど多いとは思いませんでしたが、個人的に官能小説風だけど絵もたっぷりあるジャンルには期待してただけに買って後悔するほどの本ではなかったというのが率直な感想。同人誌っぽい空気は強く感じましたがそれは(失礼ながら)掲載されている作家の何人かがプロと思えるほどの完成度がなかったせいかもしれません。
 いずれも絵と文章の両方を一人の作家が描いており、絵と文をそれぞれ別の作家が担当している作品はありませんでした。確かに絵と文のシンクロの高さを考えればそうなるんでしょうね。さて、続刊があるのかどうか・・・。
 最後に、カバーをはずすと書棚に置いても工口と思われない作りになっていることは事前に知っていたのですが、確かにオークスという社名は学術書出版社っぽくて自然かも。タイトルも「二次元幾何学論における・・・」といい感じなんですが「スクールメイト」の文字ですべて台無しになってる気がします(笑。

*1:この作品だけはB5版以上じゃなきゃ読めない