楊逸(ヤン・イー)/時が滲(にじ)む朝
話:■■■□□、次回作購入意欲:♪♪♪
- 作者: 楊逸
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/07/10
- メディア: 単行本
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ともあれ、中身を読んだ印象は、確かに翻訳本でもないし日本人作家ではない言葉の使い方*1や、やや大味な構成や掘り下げは大陸の風を少し感じました。帯*2に書かれているように天安門事件や香港返還などキャッチーな出来事を絡めているものの、主人公の中国民主化を夢見る青年は天安門の現場に行っただけで事件とは別のところで起こした喧嘩により苦労して入った大学を退学になるはめになります。大きな事件というとこのくらいで後は率直に言って、まったりした展開でした。すごい作品ではなかったですが他の候補作と比べたら受賞は順当だったかもしれません。いずれにせよ現在中国本土内に住まない在日の作家が今後どの程度リアルな中国を描けるか興味深く、活躍できるかどうかはそれ次第じゃないかと思いました。