アトリエサード/TH no.35【特集】変性男子〜HENSEI☆DANSHI〜

 少し書くタイミングを逃してましたが明日からしばらく日本を離れるのを機に…。いつの頃からか定かではないのですが、少なくとも昨年よりも目に付くのがBL系のコミック。別に腐女子さんのたまり場に行けば昔から溢れていたんでしょうけど、気になるのが男性成人向けコーナーに紛れるように置いてあること。さすがに胸板分厚い見るからに男っという年齢のBLはまだまだ離れた場所にありますが、いわゆるショタ系と呼ばれる本が普通に並んで置いてあるんです。実際、今年に入り間違って購入したのをきっかけに目覚め…ちょっとだけ気になって来たというのはあるのですが、例えば
たちっぱな! (MDコミックスNEO)

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で、巻頭の作品は、いわゆるふたなりモノでショタばかりが登場するわけではないのですが、どんどん少年嗜好が強くなり最後のほうになると年齢こそ少年なんですが行為や描写が完全にホモマンガそのものでした。この本、まんが王倶楽部のコミック発売リストでもボーイズラブではない成年指定商品扱いになっているし、実際非常に多くの書店で成年向けコーナーに混ざって平積みしていました。※別に怒っているわけじゃないのです。また、ちょうど同じような時期に

おとこのこ×おとこのこ (ダイヤモンドコミックス)

おとこのこ×おとこのこ (ダイヤモンドコミックス)

で男性向け成年誌でも活躍の二人がコラボでショタ本を出しており、こちらも書店では上の作品と同様に成年向けコーナーに混じって平積みされてました。この本、当初は間違って購入予定に入れたものの買うつもりはなかったのですが*1上記の流れもあったし、書店でチェックしてみたら、BENNY'Sさんと井ノ本リカ子さんの二人が非常に明確に異なる方向性で作品を描いており、研究目的で購入した次第です。結果的には成年向けでの二人の方向性と全く同じと言ってもよい内容でしたが、井ノ本さんの作品などはフェラが数カットあるだけでストレートなエロ表現がほとんどありませんでした。一方BENNY'Sさんは性器描写へのこだわりが明確で挿入や顔射もあり、普通に成年向けで描いている基準でショタものを展開されてました。#余談ですが、あとがきでBENNY'Sさんは、最近何にでも良い萌えをするようになり、ミミズやオケラやアメンボも萌えだそうです。先日の新刊の作中で何故友達が擬人化したミミズやオケラなのかが意味不明と書きましたが少しだけ理解できました。
 話を戻して、実際この『ショタ』ジャンルはいったいどういう読者層に対してのものなのか私自身よく理解していないところがあり、今回トーキングヘッズ叢書の特集記事をいくつか読み、ショタや女装に対する認識を深めようと思った次第です。
 記事の中でショタの同人誌即売イベントのレポートがあるのですが、一般参加者は90%が男性だったそうです。これだけ見ると(同人誌に興味を持つ人の数自体、男性が圧倒的なのかもしれませんが)男性をターゲットにマーケットが成立しているようです。またショタの中に非常に多くの派生ジャンルが生まれており単に人妻モノとか姉モノとは違う印象を受けました。実際、他の記事からも、男性が『男』という制約から解き放たれ、純粋に愛でる対象としての表現が『ショタ』であるという考え方が読み取れたし、ペニスは攻めの道具じゃないという意見なども、実際成人男性に比べたら幼く弱々しいものをなぜ敢えて描くのかというと、小っちゃなペニスが可愛いアクセサリのようなものとして扱われているのかもしれないと思いました。もちろん取り外しできるようなものでもありませんから、その少年自身のものとして特に愛される対象のひとつなのだと思います。私のMyFavorite作家である、かるま龍狼氏やみやびつづる氏も好んでショタの登場するマンガを描かれているのですが、これは作品を読んでもエロスよりも可愛いがることに視点が移っていたような気がします。
 それでも私は女の子ではなく男の子である意味がまだよく理解できていません。確かに女の子のふたなりとショタは女性器がないという点が重要ではない気がします。なぜだか分かりませんが。男同士のボーイズラブは読んでて正直気持ち悪いのですがショタは確かにそれほどでもないのは何故か。間違いなく可愛いとか萌える何かがあるのではないかと思いますが、まだまだ、この世界に足を踏み入れるのは私には時期尚早のようです。ショタ同士が絡んでいても何にも感じるものがありませんし、女性が主役になって初めてショタの存在が可愛いと感じるように思うのです。
 などと、海外出張を翌日に控えながら、こんな話を延々書いてしまいました。明日は朝早いのに全然着替えとか準備終わってないし・・・。

*1:実際これまで二人の既刊ショタ本は買ったことがなかった