天野雨乃(あまのあめの)/H two(エイチツー)

H two(エイチツー) (メガストアコミックスシリーズ No. 180)

H two(エイチツー) (メガストアコミックスシリーズ No. 180)

 2冊でしょうか。表紙絵は近くで見ると結構粗くて興ざめ。まあフェチ臭やフェロモン漂うイイ絵なんですけどね。しかし天野さんはカラーよりモノクロが断然いいですね。カラーでも好みの絵になってくれれば言うことはないのですが、それはまあ今後の楽しみにします。途中にいくつか挿入された短すぎる話はさすがに物足りなかったですが、それ以外の作品はどれも極上のエロ。大満足のうちに読み終わったのですが、カバー下にある解説を読んで改めてその構成に感心して唸ってしまいました。
 作中に何度も出てくる、一色さゆりという女優。さすがに誰なんだという思いが強くなっていたところ、巻末の『モノクロ』作品に登場。最後のセリフに、もしやと思って途中の短編カラー作品を読み直しましたが、解説を読んでそれが作者の狙いでもあったことを知り、おぉっと声を上げそうになりました。・・・すみません、未読の人には何のことかわかりませんよね。ただ、この本を買った方はとりあえず本編を読んでからカバー下のあとがきをチェックして欲しいですね。できるだけ先入観無しに感じないと意味がないと思うので。
 前作から4年。正直その間に描いた作品なんてどれも単発で無関係なものと思ってしまっていましたが、こうして1冊にまとまったものを読むと作者の仕掛けが見えてくるというのは、さすがにプロだなぁと。
 ハッピーな話はひとつもなくて、先のいけださくらさんの作品に続けるのはどうかと思ったのですが、敢えてこの2冊を続けて読むことでいいコントラストになってそれぞれがより楽しめた気がします。ふにふにおっぱいの萌え漫画の後に、ラバーフェチやネトラレダークエロス...、私もいい加減守備範囲広いなぁとしみじみ。