監督：押井守、原作：森博嗣／スカイ・クロラ

絵：★★★★☆、話：■■■□□、愛：♥♥♡♡♡、次回作期待値：♪♪♪♪

スカイ・クロラ (中公文庫)

　観てきました。ほとんど予備知識なしに、戦闘機同士が戦う映画を押井守が監督をしたというだけの知識で。はっきりいって、この監督は有名な映像作家ではあるんだろうけど、娯楽として楽しめる作品は撮れない人だと思ってたので、単に空戦を観るだけが目的。私は古くからのフライトシミュレーションゲーム好き(人はマニアと呼ぶが)だったので凝った戦闘シーンが見られるらしいことに期待していた次第。ちなみに前作の「立喰師列伝」には熟睡させられてしまったので不安は相当ありました。
　話が非常にわかりやすかったのは意外。『キルドレ』の意味すら理解せずに観ていましたが途中でちゃんと説明がありました。先ほどWEBの予告編を観て理解を確実なものにしましたが、そう違っていませんでした。たまに「イノセント」のようなひとりよがりな演出(科白)が鼻につきましたが、相変わらずの人形みたいなキャラクタ以外は好印象でした。伏線を長く見せるなど一回の視聴で理解できるようにしてあったのはこれまでの映画とは全く違い、驚きに値しました。肝心の戦闘シーンは悪くなかったですが、少し物足りない程度。エンドロールの後に出てくるラストシーンは少し失望しました。映画が悪いという意味ではなく、また繰り返すのかと思ってしまったので。もっと前に進んだ希望ある終わり方を望んでました。
　同監督の過去の映画が基準なので初見の人にはもっと悪い印象があるかもしれません。多分世の中の人ってそんなに映像にこだわってないと思うんですよね。わかりやすく、奥が深くて、楽しくて、泣けて感動する，不可能みたいな作品を望んでる。そういうニーズに対しては全然遠いと思いました。