恩田陸/不連続の世界

話:■■■■□

不連続の世界

不連続の世界

 こちらも長く積み本だったひとつ。重いのですが出先で読んでしまおうと持参してました。現在長編の最新作も読書中ですが、こちらは塚崎多聞という謎解きをする頭の冴えた男を共通の登場人物にして不思議な出来事が起こる短編の作品集でした。「幻影キネマ」という作品では頭に浮かぶビジュアルが非常に怖いホラーストーリーだったりと、また違う一面を見せてくれた気がします。ほんと引き出しの多い人です。ラストの「夜明けのガスパール」は寝台列車の中での百物語風のお話。それまで直接姿を見せないまでも死んでるとは思いもしなかった多聞の奥さんが多聞自身が殺したという友人から指摘に、主人公といっしょになって驚かされてしまいました。なんて書くとネタばれみたいですが、後になってここのセリフが本の帯に書かれているのを知りました。本屋でカバーをつけてもらって暫く積み本にしてたので、そういう予備知識もなしに読んだわけです。なお直接のネタばれにはなっていないのですが重要なセリフであることには変わりなく、その後予想外の真相が明らかになります。こういうセリフを惹き句に使うのってどうなんでしょうね。 全体の読んだ感想としては、「木守り男」以外はおもしろかったです。