空埜一樹(そらのかずき)/死なない男に恋した少女 2.日常のカケラ

話:■■■■□、イラスト(ぷよ):★★★★★、愛:♥♥♥♥♡、次回作購入意欲:♪♪♪♪

死なない男に恋した少女2.日常のカケラ (HJ文庫)

死なない男に恋した少女2.日常のカケラ (HJ文庫)

 イラストが少し好みになってきました。前回はリアルでイヤな事件が起きた最中だったのですが今回はそういうことがないので*1少し冷静に読めた気がします。読む時期が穏やかだと印象が随分変わりますね。少なくとも読み続ける意欲が湧いてきたということです。なお、主人公の死なない男 乃出狗斗(くぎと)と、刃物で刺すのが大好きな女の子(桐崎恭子。要するに快楽殺人鬼女)の関係が接近するほどに、桐崎が過去にやってきた行為に対する狗斗の考え、つまり私にとってはこのシリーズの核心部分が今回も先送りにされてるのが不満です。父親に何度も殺されてきた狗斗が後回しに出来ることなのかとか、いくら刺すことが彼女の本能的(病的)快楽だったとして、殺めてきた全く罪もない人のことを真剣に考えた葛藤があまり描かれてないこととか、すっきりしないまま2巻が終わってしまいました。もっと心通わせたストーリーを展開するなら、ここは後回しにしてほしくないなぁ。難しいのはわかってるけど。

*1:殺人事件が起こってないわけじゃないんですが近所じゃないんで