きくち正太/おせん(16)

絵:■■■■■、話:■■■■■、愛:■■■■□、次回作購入意欲:■■■■

おせん(16) (イブニングKC)

おせん(16) (イブニングKC)

 この巻で第一幕終了とのこと。既に第二幕の「おせん」は始まっています。あの不運を受けて作者がこの作品を描こうとするエネルギー源に余計なものが混ざらないことを祈っていましたが、再開初回がいきなりTVネタだったのはちょっと...。その後雑誌は読んでませんがともかく1巻めが出るのを待とうと思います。第二幕の題字が最終話の後に書かれているのですが、表紙の今の題字は好きだったのですが、今度のは左右から何かで締め付けられているような…。考え過ぎか。まだ終わって欲しくないんですよ、ホント。ホンモノや本質を感じたときや理解したときの感動や悦びを伝えられる作品を産み出していって欲しいもんです。

 この第139話(15巻)より開始された本枯節(鰹節)のテーマは最終の第155話まで続くシリーズ最大のストーリーとなりましたが、特にこの巻から収録の147話以降のお話は最後を飾るにふさわしい内容でした。日本一の鰹節職人を父に持ちながら本枯節を滅ぼすような行動を取るマモル。その行動の本心を「私にとって・・・・終焉(おわ)ったのです」の科白で見せたシーンはちょっと感動。更にその気持ちを理解して、おせんさんが選んだ料理が説得力あるすばらしい内容。マモルにとっては厳しいものだったかもしれないけど残すべきものがあると理解し、それをきちんとビジネス的に昇華していたのは立派でした。まあ現実はもっと厳しいわけですけど希望を与えることもこういう作品にとって必要なことだと思います。
 予定外の閉幕となったため「おせん」以外に意外なおまけ?が3話収録されてました。『萬屋先生道行恋の春絵巻よひわひな』と長いタイトルですが要するに春画の先生のお話。1話目の亡者絵というのはきくち氏の造語なのかホンモノの隠語かわかりませんが、いいエロスでした。なまめかしくのけぞる姿と乳首ひとつだけでここまで艶っぽいのはさすがです。今時かめはめは大王の絵でHシーンを省略するのはあんまりな処理でしたが(--; 2話目の責め絵もすばらしい。麻縄じゃなくて和風の紐を使っているのは新鮮。このシリーズ、別冊モーニングで描かれたそうですがこういう雑誌があったんですね。