さどっこ/裂き乱れよ少女

裂き乱れよ少女 (いずみコミックス)

裂き乱れよ少女 (いずみコミックス)

  • (10/24読了)絵柄&魅力:★★★★★、設定&話:★★★★★、愛&エロス:★★★★☆、総評&次巻期待度:★★★★★

 以下掲載作品の一部を簡単にレビュー。正直、痛いサドマゾ系や凌辱作品が多くて、読後、心が荒んでしまうだけかと思ってましたが違ったようです。明るいラブラブはさすがにありませんし、きつい表現はありますが、エロマンガ読みのひとりとして満足できる内容でした。

    • LITTLE MASTER 時給1万5千円につられて怪しげな写真撮影のモデルを引き受ける二人の女の子 蛍と智美(トモ)。蛍はお調子乗りのように明るく振る舞ってるけど、内気なトモにいろんな世界に踏み出すことを願う純真な少女。部屋に連れられ予想どおり際どい水着を着せられた二人に、写真すら撮らずに凌辱が開始される。思わず声を上げる蛍をパァンとはたいて黙らせる男達。小さな声で助けを求めるトモを懸命に助けようともがく蛍。手錠をかけられたまま乱暴に倒され、イボだらけの装着具をつけた男に一気に貫かれ泣き叫ぶ蛍を更に驚愕させたものは…。同じ部屋同じ時間で同時に弄ばれる二人の少女を非情なコントラストをつけて描くセンスは褒められたもんじゃないが目が離せない。ラストもまたせつない...
    • 母乳参観日 みちるくんのママはおっぱいがすごい。クラスメイトに普段からひやかされていたためか参観日にやってきた母を疎ましく思う。ママにしてみれば時々顔をはらして帰ってくるのが心配だったため、そんな状況でみちるから来ないでなんて言われたら逆効果なだけ。授業の後、みちるにちょっかいを出す素行の悪い連中のことを先生に相談にいこうとしたところで、みちるに呼び出しを受けるが…。この作品、読んで楽しいものじゃないんですが、ママさんから発するいじめられ光線やエロ臭のせいで全然可哀想に見えない。しかもラストのみちるの表情がいい。一番のお気に入り作品です。しかし、こいつらおっぱいに欲情してたはずなのにマ○○ばっかりってw
    • 姉コン  姉の朱美に対する想いが歪みきった果てに、声質が似てる以外姉とは接点もない少女をアケミという名で飼う弟のヒロ。ある日一人暮らしする朱美の元に母親から電話で、最近連絡がつかないヒロを見てきてほしいとのこと。そうして訪れたアパートで朱美はペットのアケミを見せられる。全身にピアスと拘束具をつけ、弟の気の向くままに挿入される少女。女の子を救いたい一心から弟の要求を聞き入れ…。弟の幸せそうな顔が気持ち悪い。
    • SEX DRUNKER  ある日帰宅すると家の前に女の子が座り込んでいた。2年前に出会い系で知り合った子だと気づく。家出少女らしく1週間ほど家に居ついたが服が欲しいというので与えた2,3万渡したきり出ていった子だった。サキは見た目だけでなく変わってしまっていた。セックスの後、毎回求めてくるのはバッグに入っていたクスリ。とうに使い切ってるため、いつものように暴れ始める。手足と口を拘束し、警察や病院にも知らせず、イカせ続けておとなしくさせようとするが普通の刺激では収まらない。ついには取り出したビール瓶で…。と、これもダークな雰囲気で始まるが個人的にはその後の展開は嫌いじゃない。少なくともサキの笑顔は本物だし、きっと拘束を解くことも望まない。
    • 堕天に喘ぐ  夜の営み。ママがイク瞬間を目に焼き付けてしまったマコト。人並みはずれたイチモツが抑えきれない欲望となり母子の関係を超える…。この作品も秀逸。この作品のストーリー自体は珍しいものじゃないが雰囲気や表情、演出で自分のものにしている。

その他、以下の4作品を収録。SM色強いのではという想像から家(うち)に閉じこもった作品中心と思ってましたが、上述の「堕天に喘ぐ」や次の「かごめかごめ」では羞恥露出の演出が一歩踏み込んでて好感(一般的な感覚で使う表現ではありませんが)。

    • かごめかごめ  車に拉致された少女のお話のように見えますが…。露出を含めたラストにかけての演出は見事でした。まさに世の中にさよなら。これ、父娘プレイですか。
    • 母さんに今夜も中出し  この作品も母と息子のお話。かなりいい。このジャンルだけで一冊欲しいくらいです。
    • 淫行罪  これも詳しくレビューしたいほどの秀作*1。婦○さんに限らず女性をぼこぼこにするシーンなんて普通なら不快に感じるところなのに作画上の処理がうまいんでしょうね。あへ顔もかなり強烈。単に情けなく感じてしまってる顔の表情じゃなく、屈辱を受けている感じがよく出ている。
    • 義母のとろける穴具合  父と姉弟の3人家族にやってきた再婚した義母。弟のするどい目つきが暗示させたとおり、一気にハード展開に。この作品も表情、ストーリーともによかった。エンディングだけ見てたら幸せ家族?!
    • あとがき  いい作品を描く作家はあとがきも興味深いものを書く。塩山氏の編集で成長した作家の中では過去もっとも好きな作家のひとりになりそうです。婦○で親戚のお姉さんに是非感想を聞いてもらいたいw

 とにかく、予想を大きく超える出来。コミックMATEは最近は読んでなくて、作品に触れる機会が極端に少なかったのですが、時間をかけて読み直したくなる作品でした。無感動に凌辱を繰り返す駄作と違って、歪みはあるが攻める男と受ける女の間に愛情を感じなくもなかったです。作者名前からも覚悟を感じるというか、まぎれもない鬼畜SM系作品でしたが、比較的多くの人に指示されてもいい完成度だと思います。さすがに純愛だけを愛するエロマンガ愛好者は避けたほうが無難だし、少々褒めすぎな文章になってしまいましたが、最近のオイスター氏を始め、鬼畜系作家にもそろそろ再注目しようかと。Amazonからは問答無用で切られ、世間の風も厳しくなる一方ですが、絶対に廃れて欲しくないのが本心。絵もエロも上手いし、男キャラが各作品に合ったいい雰囲気を出してるのも評価が高いところ。これで初単行本なんだからすごい。

*1:とりあえずだらだらとメリハリない文章しか書けないので長いのはやめようと思ってます