ねこまたなおみ/淫にゃん娘。(いんにゃんこ)

淫にゃん娘。 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

淫にゃん娘。 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

  • (10/31読了)絵柄&魅力:★★★★☆、設定&話:★★★☆☆、愛&エロス:★★★☆☆、総評&次巻期待度:★★★★

 初単行本。といっても同人での活動が長いようでHPの情報によると10年程度は活動されている様子。なので作画や絵柄は安定しています。ストーリーは基本的に和姦ですが純愛とは違うかも。特に後半の作品の印象から継続的にベタベタな幸せは望んでないような…。
 以下が掲載作品。1作品18p構成*1が多いですね。

    1. 彼女が浴衣に着替えたら: フルカラー8p。彼女の部屋(?)で浴衣の着付けを眺める彼氏。抑えが効かず、結果1pからヤルだけ漫画。名前すらなし。
    2. 保健室ではお静かに: フルカラー6p+モノクロ12p。保健室で眠りながら夢の中で音無先生にパイズリしてもらう幸田先生。ハッと目を覚ますと勃起したチ○コを握る音無先生が…。ごまかそうと固くしていることを咎めながら、その2コマ目にはズボンから取り出し、3コマ目でおっぱいを載せ、4コマ目には股間を擦り当てて6コマ目で挿入。限られたカラーページとはいえ、早っ!! 最後まで音無先生一筋なのは好感。ひねりがないといえばないけどw
    3. ギリギリまいしすたー: 再婚して暫く経ってもラブラブな両親に見守られている兄と妹。ツンデレ妹に少し距離をおいて接する兄に怒るが本心を聞かされて…。それにしてもこんな胸元を大きく開いた服を普段着てる妹って..。兄と同じ大学の講義を受けてることといい、お兄ちゃん一筋に追っかけてきた裏設定もありそうだけど実際はないんでしょうね。
    4. てのひらの上の未来: 学祭で手相占いをして女の子と仲良くなることを目論んでいた先輩だが当てが外れて部室に引っ込んでしまう。追いかけてきた後輩の女の子は先輩との相性占いが良かったと喜び、手相も見て下さいとお願いするが…。おっぱい占いをあっさりお願いしたり、「思ってたより おっきい」発言といい、誘ってるのは見え見え。しかしこの先輩のどこに魅力が...。確かに結果オーライでしょうけど。
    5. Honey Bitch: 男好きするカラダの女房のことが心配で調べて欲しいと会社の先輩に頼まれる男。奥さんの居ない時に忍びこんもそもそも何の情報が得られるんだろという疑問はありますが、ケータイを忘れて取りに帰った奥さんと…。これも結果オーライか。
    6. エコ暖房のススメ: 正確にはどういう関係かは不明だが、夜遅くヒーターが壊れて修理に呼ばれる幼なじみらしい男。こういう時は彼氏でも呼べよと軽口を叩くが、この鈍感!とつぶやく女性。ヒーターは直るどころかとどめをさしてしまい、男はヒーター代わりに一晩一緒に過ごすことに…。このお話は導入から最後の締めまで流れも良くて結構好きかも。
    7. タイムカプセル: 同窓会の翌朝目が覚めると、目隠しされベッドの上で後ろ手に縛られている男 ひろあき。しかも同窓会に来ていた女の子が二人居て、その一人 啓子は身体に乗りかかっていきなりアソコを握ってくる。昔いじめられたしかえしと言うが理由はバレバレ(男は気づいてないが)。ところが先っぽが入りかけたタイミングで、初恋の相手は瞳だったからこんなことはしたくないんだと告白し始めるひろあき。その間に啓子はソファの上で就寝。本気で寝てると思ったかどうかは知らないがそのまま二人は…。どうも啓子の気持ちを十分理解してない様子なのがなんとも寂しい終わりかたでした。
    8. 丑三つ時にも眠れない: あこがれの課長(♀)と出張で止まったホテルが実は心霊スポット。天井のシミや額の下にお札が貼ってあったりして、恐くなり逃げてきた課長と同じ部屋で過ごすことになる。エロいことをすると幽霊は寄り付かないという提案はGOODw。恥ずかしがって電気を消そうとすると見えないはずのものが見えるよと怖がらせるなど、シチュエーションに合ったセリフはいつもよく考えられていると思う。
    9. オトナの時間: 保育園まで弟を送り届ける大学生の主人公は保育士のちあき先生のことが…。レポートで徹夜明けの日も、いつものように送迎するが荷物運びを手伝うことになり、そのまま疲れて寝てしまう。目が覚めると、そこはちあき先生の膝枕。その後は本能のまま…
    10. Matiere: 舞台は美術大学か何かでしょうか。アトリエに不純な動機で居ついているため筆が進まない主人公。お目当ての先輩は絵も良くて、アドバイスをもらった流れでそのまま告白。一気に関係を持ってしまうがその後なかなか会ってくれない理由は…。基本的に悪くない話なんだけど何か気持ちが伝わらない...。
    11. HERE COMES A NEW CHALLENGER!: 新型ゲーム機を買うため深夜に並ぶ人たち。そこに偶然近所のゲーセンの店員と常連の女の子が遭遇。見下ろすと丸見えのおっぱいに欲情し、固いのがお尻に当たってしまい逃げ出す彼女。追いかけるとそこで彼女は…。
    12. きずあと: 未亡人か道楽か理由は分からないけど実家を離れて一人管理人をしている澄子さん。1ヶ月に1回だけ管理人さんに会う機会を活かしたいと気合いを入れて家賃を払いに行く往人。玄関のベルを鳴らそうとした直前、バスタオル姿で飛び出してきて…。少なくとも澄子さんから往人には好意こそあれ恋愛感情はないんですよね。想われていたことを嬉しく思い、管理人をやめる前に…。軽い気持ちじゃないんでしょうけど、なんとも寂しい終わり方。
    13. あとがき: 見開きのイラストとメッセージ。手書き風フォントじゃなくて肉筆だと嬉しいんですけどねぇ。

 設定は細かくないけどストーリーはよく考えられているような部分もあるけどそれは勝手な深読みで、実際はテンプレを駆使して登場人物の設定もそこそこにヤルだけ漫画っぽい作りのような捉え方もできる気がして、評価が難しいのが読み終えた印象です。あと、あっさりしてますかね。絵に関しては、作画技術は十分あると思いますが絵柄そのものは誰が先かはわかりませんけど個性が弱い印象。どの女性も美巨乳なのは好感持ってます。多少、物足りなく感じた原因のひとつは、いろんな汁が少なめだったり、淫語が全くない点。もちろんアヘ顔などあろうはずもなく、全体的に清楚な雰囲気です。作風やストーリー、絵柄に対して合ってないことをしてもマイナスでしかありませんけど、部長と不倫しているビッチ嫁くらいはもう少し乱れて欲しかったかなぁ。実際大して感じてもないと思われる段階から、汁吹き出しまくってアヘってる顔を見せられるとむしろ聖人化するところはあるので、こういう作風自体をたまに読むことは嫌いじゃないです。むしろもうひとつの原因が主で、恋愛ストーリー面が単調でシチュエーションが違っている割に予想外の展開や熱いラブがなくてドキドキしないのが残念。男からの簡単なアプローチで意外なくらいすぐにエッチな流れになって、実は前から好きでしたという女の子のワンパターンな反応はあんまり毎回だとおもしろくないかなぁ〜。好き嫌いもあると思いますけど。

 何が言いたいかって、もう少し執筆ペースが早い作家なら、こういう作品の本もいいんですが、約3ヶ月に1作品、次回の本は下手をすると2012年みたいなペースではその期間憶えていられないかなぁと。ある程度ネームバリューを作ろうと思ったら、1冊に力強い独自のエロスワールドを凝縮するか、テンプレだれけでもバリエーションや生産量で厚みを感じさせることって必要だと思うんですよね。仕上げの完成度や真面目すぎる描写からお気楽な作品作りをしているとは全く思えないだけに、口惜しさからこんなことを感じてしまいました。

 一般論じゃなくて最近特に思うんですよね、自分はいつまで読み続けられるのかなぁって。この本がこの作者に関して自分が手にした最後の作品になるんじゃないかって。40歳を遥かに過ぎ、今よりも更に立場が重く忙しくなる日が来たら、さすがに毎日エロマンガラノベを買いに行って読み耽る自分を想像するのは難しくて…。最近はかなり無差別に買ってしまうのもそういう影響が出ているように思います。しかし仕事だけの人間には死んでもなりたくないし、何を楽しみにして生きてるんだろう、未来の自分は...。時間があるとつまんないことを考えてしまう今日この頃。やっぱり忙しいくらいがちょうどいいわ。

*1:エコ暖房とMatiereだけ16p