久々に美術鑑賞

  • SIGGRAPH ASIA 2009 に行ってきました。今回は元々EXHIBITIONだけ見る予定だったのでのんびりと昼前に出掛けたのにそれでも時間が余ってしまって。やっぱり行くならコンファレンスに出ないとだめですね。
  • 束芋〜断面の世代〜横浜美術館開館20周年記念展) そのまま近くで開催してた束芋さんの個展を見てきました。正直、朝日新聞新聞小説で連載していた吉田修一氏の「惡人」を読んでから行った方がもっと楽しめた気がします。これから予定のある方は是非。実際、その「惡人」の挿絵が一堂に展示されてた部屋で(全然そういう予備知識がないものだから)不可思議なつながりを持つ絵が大量に展示されているのがよくわからず少々居心地悪かったです。もちろん何かの物語かなと思って見てたのですが私の感性ではストーリーまで読み解くことはできませんでした。小説に出てくるワードを束芋さんの感性でピックアップしたものらしいので、機会があれば小説のほうを読んだ後もう一度見てみたいものです。ちなみに、こういう一見何の関係もない絵と絵をつなぐのは学生の頃よくノートの落書きで楽しんでいた記憶があります*1。例えば、授業中に先生の似顔顔をぼんやりと描いてて、首の辺りを描いたところでふと窓の外を見ると女子が校庭をブルマで走ってたので、そのまま首のすぐ下にふとももを描き、更に運動靴の踵から伸びる影がそのまま遠くを走る列車になって、更にその列車の窓が描いてる内に歯になって舌が伸びてきて…、等々。ひどく単純な行為だと思うのですが、それをこうして現代アートとして形にしている点はおもしろいなぁと思いました。その展示のすぐ横では小説「惡人」に登場した女性をモチーフにした「油断髪」というアニメーション作品が凹面状のスクリーンに投影されてました。自分の影が映る手前ぎりぎりまで近づいて、その長い黒髪から見えるものを堪能してました。サラサラした長髪を見るだけでエロスを感じてしまう私にはもう…w。普通はちょっと怖いイメージかもしれませんね。個人的には満足のいく個展でした。最後におせっかいですが、「BLOW」という作品で少しずつ成長して植物の絵がビデオで流されているのですが5つの中の中央の作品だけは見終わるまで30分くらいは掛かるので要注意。横浜美術館情報センターでは束芋さんの関連書籍も集められたので興味ある方は忘れず立ち寄られることをお奨めします。

 ということで会場で販売してた図録がこれ。吉田修一氏との対談なども収録されてて読み物としても興味深い内容になっていました。

束芋 断面の世代

束芋 断面の世代

*1:そんなレベルの話を連想させること自体失礼なことはわかってるのですが...