上山道郎/ツマヌダ格闘街(7)
- 作者: 上山道郎
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2010/02/08
- メディア: コミック
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- 感想:読了日02/05
戦う動きを魅せる格闘マンガに留まらず精神的な面もきちんと描こうとしてるんだなぁと感じさせる好きな巻です。最初の護身術の話では子供を諭すのに、まず理屈で説明する前にきちんと感覚で理解させてるのは実際問題として上手い方法ですよね。少々刺激が強すぎるかも知れませんけど子供でも納得のいく形で理解させることができる方法ってなかなか思いつかない。続くプールが舞台になるお話では、おっぱい♪おっぱい♪と浮かれた話にならず気づいたら勝負のほうに目を奪われていたように思います。笑いやエッチやおふざけシーンを入れがちな時代ですが、主人公のミツルの物語にふさわしく、実直に生きる姿には好感度高いです。
そして今回、鎌倉を舞台にしたお話でミツルが技術以外の大きな成長を見せる内容となりました。ネタにしか思えなかったドラエさんのメイド姿もきちんとした過去の経緯の説明があって、ツマヌダ(妻沼田)の格闘街を実現するために関わってきた大きな人脈も明らかになりました。新たなライバル(武術だけでなくなるかも)も外国から参戦し、この作品の世界が益々深く広がりを持ってきたように感じます。
印象的だったのは達人の境地の一端を表現したシーン。これまでああいう状態になることは他の格闘マンガでも目にした記憶はあったと思うのですが、自分も体験したことある座禅の話のおかげで、今までにない実感を感じました。そもそもが事実かどうかもわかりませんが、少し理解できたような気がします。
今後、修行と実戦とどのようなバランスで物語が進展するのかはわかりませんが、今までのように戦いそのものではない部分にスポットを当てた内容に期待しています。格闘系マンガとしては柴田ヨクサル氏のエアマスターが最も最近購入してたシリーズ作品でしたが、結局最後まで買い続けられませんでした。今回は期待してます。