らっこ/チェリー・ボム (真激COMICS)

チェリー・ボム (真激COMICS)

チェリー・ボム (真激COMICS)

絵:★★★★☆、話:★★★★☆、工口:★★★★☆
2007年2月26日初版発行
 もう安心して読める作家のひとりになったという印象です。今回で単行本は3冊めになるのですが、ほぼ1年前の「ムリクリ」から順調に生産されているのは嬉しい限りです。今回もバリエーション豊かな話で楽しめました。
 なおこの本で初めてメイドもので連続シリーズが掲載されてます。4回程度の短編なのに単なるやるだけ漫画じゃなく起承転結を意識した作りになってるのは頑張ってると思いました。まあ、そんな高級な話が作れるわけでもありませんが。「2人の秘密基地」という話は関西弁でノリのよいミアという女の子が出てきますが、秘密基地に工口本を隠した少年とのやりとりが楽しく、特に最後のオチは大笑いしてしまいました。その次の「ボーダーライン」もよくある義兄妹の近親ものにはなるんですが、どんどんエスカレートして兄妹間でやってはいけないという基準がなくなっていくそのテンポが最後まで気持ちよくつながっているのはうまいなぁと思いました。絵も好きなんですが(オリジナリティは少し物足りませんが)、話の流れがいいですねぇ。それから「ずっと恋人未満」に登場するタマコですが、ぐるぐる眼鏡をかけた純情な少女だったのがどういう事件が起こると、風俗で働くだけでなく責め具を全身にまといながらイキ足りないと感じ、ひとり『生ち○ぽで掻き混ぜられたいよぉぉぉ』とつぶやく女に変わるのか、知りたいもんです(笑 別に暗い設定を知りたいという意味でもないんですが、すごい話だと思いました。あこがれだった女の子に風俗で再開した男も、その境遇の変貌を全く気にかけず、二人でラブラブしっぱなしなのはほんとにすごい。敢えてこういう言い方をしたものの実際に読んだ時には別にそんなことをこちらも気にするわけでもなく楽しめたのは、多少強引でも話の持っていき方がうまいんでしょうね。
 ちょっと今日は気分がよかったので、ほめすぎたかもしれませんが、良作には違いないと思います。