木工用ボンド/「君ってドMでしょ」

[isbn:9784903714042:detail]

 約1年半振りの新刊(12冊め)です。商業漫画デビューして13年めになりますからほぼ1年に1冊ペースで頑張っておられます。この方のこだわりは前作「ハダカより卑猥 (MUJIN COMICS)」タイトルに集約されているように、脱がないで魅せる工口スです。単に水着が好きで脱がせたくないというのが真相かもしれませんが、この本も全裸シーンは数コマしかありません。
 散々語られ表現されてきたことではあるのですが、私もこういう表現を支持する一人でして、真っ裸でも靴下は言うまでもなく、イヤリングひとつでも残っていると、目に留まってしまいます。ところが木工氏は私なんかでは到底たどりつけないレベル、つまり乳首見せなしに工口を表現しようとしています。布ごしにスケてみえるのもいいし、肌と布の間に手をもぐりこませるのも間違いなく工口くて好きなシーンですが、やっぱり最後まで先っちょを見せずに終わらせるのは不発弾ではないかと思うんです。
 実用性は十分にあるのですが、やはりそのシーンがないというのはお預けを喰らわされた気がしてなりません。・・・・えっ!? あっ、もしかするとそういうことか〜〜。タイトルの意味です。今わかったような気がします。
 タイトルどおり収録された作品の多くは肉感たっぷりのお姉さま方に弄られる、か弱い男の子が主人公になっているわけですが、一度も主導権をとることなく、身体も全部見せてもらえずお預け状態でありながら、実際そういう作品を見て、興奮している「読者こそ」Mですよね〜。私は違いますよ、私は。(^^;
 まあ勝手な解釈ではありますが、こうしてカバー絵をみながら、自分に向かって「君ってドMでしょ」と言われるのを想像してゾクッとしている方も少なくないのかもしれません。実際目線は尻の下に敷いた男子に向けておらず、まさに読者への視線ですよね。
 細かい内容には触れずに勝手な話を展開してしまいましたが、今回の本で一番のお気に入りは、2話目の水泳部部長が出てくるお話。つまりは表紙絵のお姉さんが主役の話です。これぞ木工氏の漫画という内容でした。相変わらず肉感あふれる女性の絵が好きですなぁ。
 絵も話も手堅く、らしい漫画が今回も充実して満足していますが、そろそろフェチじゃない作品も読んでみたいのですが・・・。