大越孝太郎/猟奇刑事マルサイ

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 かなり読者を選ぶし、その読者であることを知られるだけで引かれてしまいそうな本ではあるが、購入した大越氏の本としては実は3冊目になる。というより、以前買おうとしたときにその書店に「フィギッシュ」と「月喰ウ蟲」しか置いてなかっただけで、もし他の既刊本があったなら購入していたと思う。積極的に買う勇気(?)はないが見つけたら手にいれたくなるそんな作家です。
 マイナー系雑誌での執筆が多いため休刊もよく起こり、なかなか長期連載が1つの本にまとまらないのですが今回ようやく新刊が出ました。小説では表現しきれない世界に挑戦する不世出な漫画作家のひとりだと思っており、ショッキングなシーンが多いのを我慢して、リアルタイムに読めることを喜んでいます。海外だと発禁されそうですし。
 で、この本ですが、タイトルどおり、猟奇的な事件を専門に扱うマルサイの事件簿という形式で1冊の本にまとめられています。本を読んでいると犯人(?)側が強烈なため影は薄くなってしまうのですが、なかなかおもしろいメンバーがそろっています。この本で終わりにしてほしくないですね。
 決して誰にでも薦められる本じゃないのであまり褒め言葉を使うのは控えようと思いますが、工口グロ(内臓はみ出るようなグロじゃなく、ハードMの方向)に多少の耐性があるならダーク系の作品としては一度は手にしてほしい記憶に残る良本だと思いました。