長嶋有(ながしまゆう)/エロマンガ島の三人 長嶋有異色作品集

エロマンガ島の三人 長嶋有異色作品集

エロマンガ島の三人 長嶋有異色作品集

 第1回大江健三郎賞を受賞された長嶋氏の本です。賞金も出ない賞だと聞いていましたが、少なくとも受賞していなかったら名前を覚えることはなかったかもしれません。おまけにこのタイトルで本を出されたら手に取ってみるしかないということで、試しに買ってみました。
 異色作品集ということで変わった話なんだろうとは思ってましたが、読み終わってみて、どう評価したらいいのか困ってしまいました。ゴルフの話はちょっと引っかかるところがありましたが、巻頭で本のタイトルである「エロマンガ島の三人」は行っただけに近いエピソードの少なさでした。この作品は、ゲーム雑誌の編集者が酒を飲みながらノリだけで口にした企画『エロマンガ島エロマンガを読もう』が通ってしまい、それを実行しに行った旅行記になっています。つかみはおもしろいと思ったんですけど、実在の人物をモチーフにしているようなんですが内輪受けしているだけのような気がします。
 で、期待はしてませんでしたが、ちゃんとエロマンガも登場しており、「ペンギンクラブ快楽天ばんがいち」の名前が挙がってました(ほんとに名前だけでした)。ペンギンクラブが世間では代表的なエロマンガだと発言しているあたり、この作品はかなり古いのでは?と思ったのですが2006年でした。確かにペンギンクラブは非劇画エロマンガが世の中の主流になる大きな原動力になったし(結構買い続けていた時期もありました)、今でも高いレベルを維持していると思います。それでも上記3雑誌がエロマンガが取り上げられていたことに少し違和感がありました。やっぱり成年マークがついてなくてコンビニ売りできる雑誌がよく売れるんでしょうかね。自分がコンビニで買うことがないもので。