北原尚彦/SF奇書天外 (KEY LIBRARY)

SF奇書天外 (KEY LIBRARY)

SF奇書天外 (KEY LIBRARY)

 読む本がないとつい手が出るのが書評本。死ぬまでに読んどけっ!みたいな本を定期的にチェックして古書街をさまようときの仕込みにしてます。
 この本はまさにそういう古書の中から奇書と呼ばれるSF関連書籍をたくさん紹介してくれます。はっきりいって1970年代までは読んでない本だらけですが、それでもノストラダムス本で大ヒットした五島勉氏がもともとポルノ小説でデビューして、その頃の本がトンデモ本として注目を浴びているのは興味深いです。それから直木賞作家で『翔んでる警視』などのヒット作で知られる胡桃沢耕史が「イヤーン・フランミンゴ」というPNでポルノSFを書いていたという事実もおもしろい。全く想像できないわけでもありませんけど。
 1980年代に入って紹介された本は少しだけ知っているのがあって、最初に紹介された「セックス・マシーン」などもそうだけど、夏目大介(=和久峻三)のシリーズ、記憶間違いかもしれないけど、久利武の「悠裕介のおかしなおかしな大冒険」などのポルノSFは読んでます。
 1990年代はそもそもあまり本を読んでなくて奇書なんてものは全く目に留まってませんでした。作者名すら知らないのばかり。まあ哀しいかなポルノSFジャンルだけは少し記憶にあって、うるし原智志未津島えり龍炎狼牙富士参號らのイラストは懐かしいです。
 SFジャンルに限らなくてもほとんど奇書と呼べる本は買ったことも読んだこともあまりないし、寛大な心がないと愚作の極みだったりするわけで記憶にも残ってない可能性があります。こういう本に注目していまだに集めているという人たちがいるのですから世界は広い。
 工口マンガ界で奇書というか変な作品と聞かれたら、私は祭丘ヒデユキの名前を思い出します。へんな話ではないのですがかなりキテル話があります。結構工口な作品は好きな出来だったので既刊は全巻所有してます。抜かせてなんぼの世界ですからほんとに貴重な方でした。ご本人のHPでは今年の1月9日の更新が最後になってますが、まだ活動してるよね〜