藤原俊一/憧れの女 (富士美コミックス)

憧れの女 (富士美コミックス)

憧れの女 (富士美コミックス)

 少し前に買った本ですが感想書いてなかったようなので。確か2冊目。絵柄に特徴あるし、今後の活躍を期待している作家の一人です。特に初単行本から絵的に変化はありませんでしたが、まあ水準高いほうですから特に変わって欲しいわけでもなく問題なし。それよりも話を作るスキルはだいぶ上がったんでしょうか。ちゃんと工口とエピソードを交えながら、最後は一応(一般誌の話なら深刻になりそうなところまでヤラれちゃってますが..)ハッピーエンドでうまくまとまってます。好まない男性にファックされても後をひかないのが工口マンガのいいところですよね。むしろ一般向けの某マンガで時々見かける超・純愛路線(キスするだけで、どんだけ...)の話のほうが逆にリアリティないと思いますね。
 具体的な内容は、美人でオタクな同人漫画家さおりを中心に同人サークルと学生生活を楽しく過ごす話なんですが、後半には商業デビューを餌に男にだまされるなどダラダラと適当な話に工口を入れただけのつくりになってないのは評価できます。オリジナリティもあるんじゃないでしょうか。大嶋朝霞というキャラ初登場の立ち絵が正面からだったため、髪の毛が頭の上に立っているように見え、一瞬、オタ女×マンガ描き×髪型で、某一般紙のキャラを思い出してしまいましたが。ちなみに5話目の最終ページで何か彼女に事件らしきものが起こったようなのですが結局『ちょっとしたゴタゴタ』の一言であっさりスルーされてしまいました。この辺はわかっててやってるのか、思ったように話が作れなくてそうしたのか気になるところでした。まさか、スピンオフ作品の伏線?! んなわけないか。現在はペンギンクラブで「秘神島(ひめがみじま)の巫女」という連載を描かれています。伝奇モノということでこっちもかなり期待しています。