井ノ本リカ子/モモタノハナ

絵:★★★★★、話:■■■■□、愛:♥♥♥♥、次回購入意欲:♪♪♪♪

[isbn:9784840122153:detail] 田中氏の作品の感想を書いた日なので出来が悪ければ別の日にしようかと思ったのですが、こちらも良作でした。完全な一般向けでしかも絵柄にふさわしく淡い純愛ストーリーです。私は井ノ本さんの非工口作品を読むのははじめてだったので、ちょっと調べてみたら児童向けに「[isbn:9784757503014:title]」で他の作家と一緒に執筆されているようです。全然中身が想像できないので読んでみたいなぁ。

 さて、舞台は田舎町の高校。入学シーズンから少し遅れて転校してきた主人公桃太(姓は春原!)とそこで出会う女の子とのお話。主人公はどちらかというと内気でストーリーをぐいぐいひっぱる力もないんですが1巻通してちゃんと存在感は示せてたと思います。どきどき感を共有するにはいいキャラクタなのかもしれません。美人で優等生で委員長のさゆりさんと、ご近所でちょっと妹っぽい、うめちゃんらと少しずつ接近する、どちらかというとのんびりした展開でしたがダレた感じもなく最後までいい雰囲気を楽しめました。それにしても、ヒロインのひとりが「うめ」って名前はすごいなぁ、いくら田舎でも。と思ってたら主人公は「桃」太だし、他に、さ「ゆり」に「菊」乃。そして「竹」田くん。お花や木の名前をつけたかったんですね (w いえ、いいんですよ、「うめ」じゃなく「うめちゃん」と呼べば可愛いし。ただなんとなく手抜き感が...。
 少年漫画系ではちょっと読めない淡いお話だったので、ちょっと少女漫画っぽいテイストを感じましたが、広い層に読んでもらえる作品になっていたんじゃないでしょうか(私が読めるという点で)。こういう作品を今後も描かれるなら応援したいですね(刺激が少ない話はなかなか売上げにつながらないかもしれませんけど)。さりげなく漂う色気(単に巨乳だからじゃなく柔らかい体の線とか、むちむちの太ももとか)に反応してくれる読者が多ければいけると思うんですが。
 それにしても普通の工口以外にショタ、ホモ、スカトロから純愛まで描くんだからプロだよなぁ。確かに大きく作品の軸がずれてるわけでもないんですけど、男性作家ではこういうジャンルを同時に描ける人は思い出せません。