犬/初犬3

絵:★★★★☆、話:■■■□□、愛:♥♥♥♡♡、次回作購入意欲:♪♪♪♪

[isbn:9784870767102:detail] 今回も薄いですが((いずみコミックスはどれも薄いのです))第3巻が発売されてました。すっかり前作までのお話を忘れていたので一旦1((1巻に3話収録された作品がその後の2,3巻と続く元ネタになってます)),2巻を復習しました。それにしても結構絵柄変わっちゃいましたね。3巻通して読んだ直後はそれほど違和感を感じませんでしたが、後からページを飛ばしながらチェックしてみる目の大きさやバランスの違いのため別人の顔に見える部分が少なくなかったです。初単行本から描き続けているんだからこの程度の変化は変わったとは言わないかもしれませんけど。

 これから読む人にとっては今回完結となる話のオチを知りたくないでしょうからストーリーには触れないでおきます。印象だけ伝えるなら、途中は嫌な展開があったけどラストは許容範囲でした、というところでしょうか。私的には2巻めから主役が三田ゆきに移ってきてましたので・・・、まあそういうわけです*1
 藤乃に魅力がないわけじゃあないけど、やはり寡黙キャラは難しいと思いました。夢の中であっても、急におしゃべりキャラになったら違和感あるし、結局二言くらいしかしゃべっていません。確かにそこまで溜めて発した言葉ですから物語上非常に重要だったのですが、ゆきの白昼夢の中でのセリフはほんとにあんな言い方しかなかったのかと素直に受け入れられないものでした。更に、ゆきの気持ちに対して男キャラの深谷は何もできず、ただ逃げてただけというのが非常に不満で、2巻から記憶喪失になるなど多少仕方ないところはあるものの、全く感情移入できないダメキャラで終わってしまいました。魅力のない男キャラが訳もなくモテるのを見るのは結構不愉快なんですよね〜。
 とまあそんな不満を持っていたのですが、ラストページの三田のセリフがまさに代弁してくれてました。作者の声でもあるんでしょうか。とにもかくにも難しいキャラクタからここまで魅力を引き出した作者の力量を感じたのも事実であり、今後新しいシリーズが登場すると思いますが楽しみにしたいと思います。

*1:かえって誤解を与えそうな感想だ