くもいたかし/すとれんじはぁと♥

絵:★★☆☆☆、話:■■■■□、愛:♥♥♡♡♡、次回作購入意欲:♪♪♪

すとれんじはぁと (SANWA COMICS No.)

すとれんじはぁと (SANWA COMICS No.)

 初単行本です。眼鏡の形がやや四角で着衣エロが多いためだったかもしれませんが、読後にトラでもらったおまけペーパーの絵を見たとき一瞬木工用ボンド氏を思い出してしまいました。そういえば未感想の本が1冊ありました…。それはともかく個人的にはこちらの絵のほうが表紙絵より好きかなぁ。がしっと尻を掴む構図もいいんですが、せっかく本編で最初から最後まで描き込んでいた肌の日焼け跡が採用された表紙絵では分かりづらかったので。[http://www.h6.dion.ne.jp/~xeo02/:title=作者のHP]によると顔が帯にかかるため表紙には合わないと判断したためだそうですが、なるほど、タイトル文字もそうですが表紙絵はいろいろ制約がありますねぇ。それにしても帯がやけに太いんですが、一番かと思いきや、残念ながら同時期に発売のLINDA氏の本は更に幅広になってます。こちらも裏のカバー絵の女性の顔が切れないようにするためにそうしたのかもしれません。

 さて作品のほうですが、はっきり言ってしまうと少し絵は幼い印象。ロリとかじゃなく昔の少年漫画の香りを残しているような...。また工口マンガ的に必要な要素は描き込まれているように思うのにエロく感じないのも気になりました。ヒロインのカレンは無口キャラなので言葉による高まりが表現できない難しさはあるんでしょうけど、それ以上にカレン側からの積極さがやや希薄な印象を受けました。ただし、この作品は1冊まるごとのストーリーマンガになっており、ややネタばれですが、カレンは当初主人公のシュウジに対して好きだからではない理由で近づき関係を持っていました。それがうまく表現されていた結果かも知れませんが、理由はどうあれ、やはり工口マンガでエロスをあまり感じないのは残念でした。ストーリー面では、第1話でシュウジが何故か厄災を惹きつけるという設定が分からない*1以外は最後までよく考えた展開や演出が見られました。例えばその第1話では、シュウジがニーソへの中出しに大興奮するなど、最初はこの年齢でここまでフェチなのはありえないと思い笑ってしまいましたが、もしかすると年齢とかただの学生という設定に対して違和感を感じさせる演出だったのかもしれません。
 今後は絵とストーリー性がもっとマッチして、キャラクタの内面が表現され、女性だけでなく男性にももっと色気や魅力が出てくるといいなと思いました。珍しくかなり上から目線な感想になってしまい恐縮してますが工口マンガジャンルでどこまで舞台を広げたストーリー漫画が描けるのか期待させてくれる漫画家だと思ってます。

*1:これによりカレンがシュウジの身辺を常時守ることになり二人が近づいたという結果は分かるんですが