いーむす・アキ/若奥様解放区

絵:★★★★★、話:■■■■■、愛:♥♥♥♥♥、次回作購入意欲:♪♪♪♪♪

若奥様解放区 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

若奥様解放区 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

 随分感想を書くのが遅くなりましたが、タイミングを逃したので時間を置いてフレッシュな気持ちで読み直してみました。確か最初の発売告知は6月…。前作がロリ先生で萌え漫画を提供してくれましたが今回は大勢の若奥様でムンムンでした。胸もお尻もたっぷりのボリュームでエロ度は前作よりも高めになってると思います。
 正直最初読んだ時は夫への愛情が溢れているそぶりを見せている割に、若い男に夢中になり、しかも愛する夫の子供を授かったことがわかってからも、尻穴ではなく前を使う(確かに最初は本人の意志ではありませんでしたが)という乱れっぷりにそこまで性欲だけに支配されてしまうのかと、エロマンガ読みとしてはふがいないことに萎えそうになってしまいました。ただこれはいーむ・アキさんの世界に住む若奥様たちを理解していなかっただけで、一般論では愛する人の子供ができればその子供への母性愛に満たされ性欲も減退するという理屈が言えそうなんですが、この官能の世界でもし子供への愛情すら上回る性欲があるとすればどうなるのか、愛し方があるならどうなるのか、そんなことを考えさせられました。事実、子供を作らない夫婦、子供を育てられない母親が存在するように、子供を産むこと自体義務的であったり拘束されているような感覚を持つ女性が増えているのかもしれないと思うことがあります。自分の身体の中に芽生えた新しい生命…などと神聖化する感覚自体が最早すべての女性が持ってるというのは男の幻想ではないのかと。こうして長編作品を本にする以上、夫の出張中にアソコが寂しくなって若い男あさりをしてはめてもらいました、終わり、では確かに平凡の極み。エロマンガは根本的に絵の違いがあるため、ストーリーがまったくお約束の定番展開でもそれなりに楽しめる作品があったりするのですが、官能小説でそれをやっちゃったら、何これっ?、と失望するのは必須。いーむす・アキさんは絵だけでも存在感ありますがストーリーも安易な定番をもってくる印象がないため、あえて新婚新妻、夫への深い愛情、初妊娠という鉄壁の状態を作り、それを快楽の肉棒で突き破るという作品に挑戦したのではないかと思えてきました。自分を心と体で愛してくれる相手を等しく愛するという女性がいたとしたら、こういう話もありなんじゃないか。その欲望に同調するように増える、心を解放した妻達。確かに妻としては失格かもしれませんが、女としては...。
 ラストで久しぶりに帰って来た夫に見せた痴態。私はあのまま夫とも再び愛の行為にふけったのではないかと思います、もちろん、けいた君と3人で。エピローグでは屋外での4Pプレイ。そこに夫はいなくても、「淫乱奥さん」「生奥様」と呼ばれたように夫との関係は終わってないようです。いろいろ考えすぎのような気もしないでもないですが、2度の読み直しの時は難しいことは考えずにこういうのもアリ、としか考えてなかったりして楽しめました。
 このシリーズ以外にも両性具有の女の子を含めた男女3人の恋愛ストーリーが掲載されており、まだまだ数の少ない*1問題作だったと思います。どのくらいの人が今回の作品を最初からすんなり受け入れたかわかりませんが、私はまったく抵抗がなかったわけではないのは前述のとおりです。唯一この解放区のシリーズで妊娠した子供が最終的にどういう扱いになったのか描かれてないのは気になりました。書きづらくてやめたのか、何か裏話があるのか・・・。

*1:初ではなかったと思いますが