瀬那和章(せなかずあき)/under 異界ノスタルジア

話:■■■■■、イラスト/u(ゆー):★★★☆☆、次回作購入意欲:♪♪♪♪♪

under―異界ノスタルジア (電撃文庫)

under―異界ノスタルジア (電撃文庫)

 そんな鬱な日々にぴったりだったのがこの本。ラノベとしては久々に筆力を感じさせる描写にワクワクぞくぞくしながら読みました。イラストレーターさんには悪いのですが挿し絵はほとんど見ないで読んだことも良かった気がします。絵が無くても十分に作中のシーンが頭に浮かぶので自分自身で恐怖感をあおりまくりでした。(後でじっくり見たイラストも悪くはなかったのです。)つかみのシーンは結構好きで、普段地下道を夜ひとりで通ることが多いため非常に想像しやすかったです。闇の中の何かに引きずり込まれる少女が生爪をはがしながら必死に床でしがみつこうと抗い、それでも骨が砕け肉が裂ける痛みと本能的に感じる異界の恐怖に対する絶叫が簡潔だけど効果的でした。「いぎゃやぁぁああ、だずげてっ、だすけてっ、たすけでぇぇ」…、恐怖で全身の穴から汁を流す少女の顔を見ながら、男はジッパーを下ろす・・・。そして笑い声。
 現在、2巻めを読書中。ラノベは通勤途中で読むと決めているのですが、我慢できなくなってます。この2巻も読み終わったらサイコミステリーものをいろいろ探してみようと思います。ちなみに、この作品、第14回電撃小説大賞の銀賞受賞作でした。