山文京伝/蒼月の季節

絵:★★★★☆、話:■■■■□、愛:♥♥♡♡♡、次回作購入意欲:♪♪♪♪

蒼月の季節 (ホットミルクコミックス 280)

蒼月の季節 (ホットミルクコミックス 280)

 さわやかなはずの新年一発めの本がこれ。今回は薬や催眠などはなく*1快楽と夫への愛で堕ちる人妻のお話で、かなりエロい。表紙絵は相変わらず微妙な色彩感覚だけど、某L氏の肌色のやばさに比べれば許容範囲。作画は安定してて作風もいつもどおり、性器などの局部表現は控えめですが、同じ部屋で二人の悦楽行為を傍観しているようなAV感覚があり、堕ちるまでのストーリーを堪能する作りになってます。
 ケーキショップを大手の帝王百貨店に出店することが決まった真壁の妻 理沙。実は、その帝王グループの西脇というじじいに目をつけられていた。多大な設備投資も済ませ、これからという時、菓子の中から金属片が見つかるという事故。すべての話が白紙だと言い放った直後、西脇のじじいの口から理沙にだけ聞こえるように「一晩でも儂に肢体を預けるというなら…」という悪魔の誘い。その後懸命に資金のやりくりをするがどうにもならず、取り返しの付かない借金を背負うのが確実かと思われた時、理沙は夫のために心を決める・・・。
 言うまでもなく全部じじいの姑息な策略。まじめに夫と二人で、夢も希望も喜びも悲しみも共有してきた理沙だったが、はじめて夫にも告げず、ひとり羞恥に身をよじらせながら、かぱっ〜と股の奥をじじいの醜悪な眼の下に晒す…。薄暗い部屋で、しつように秘唇を舐め上げられ、羞恥が思考を麻痺させ、ついには初めての絶頂を迎える。言葉責めと力強い突き上げに防ぎようのない快楽が何度も押し寄せ、夫のことを思いながら登り詰めて意識を飛ばし、最初の肉体奉仕を終える...。最初は一度だけの約束だったが、夫を支援してくれるという期待を言い訳に、うずいて仕方ない肉欲にあらがえず、二度目のセックスでイク喜びを覚える。その後は本編でどうぞ(w
 とまあ、こういうストーリーが好きな御仁には股間が張りすぎて痛くなるような展開ですが、まあ私も嫌いじゃないです。すべて理沙がすけべだから起こったことですし、幸せになったわけだし。基本的に山文京伝氏の作画・演出は好きなんですが、後は洗脳まがいのことをされるか、自ら快楽の泥沼に足を踏み入れるかという設定の差だけで私の評価は上下しているという状況。今回の作品はストーリーの流れに少し説明不足とか違和感ある時がありましたが、作品全体でみれば定番だけど欠かせない演出はちゃんと押さえられてて満足できました。ストーリー自体にオリジナリティがあるわけではなく、今回のシリーズで理沙という女がどういう風に堕ちていくのか、その世界に浸って読むのがこの作品をより味わえると思います。

*1:一応酒の力は借りてましたが飲んだのは本人