ゼロの者/エロメスのつくり方

絵:■■■■■、話:■■■■□、愛:■■■□□、次回作購入意欲:■■■■

エロメスのつくり方 (いずみコミックス)

エロメスのつくり方 (いずみコミックス)

 この日記で感想を書くのははじめてかもしれませんが、もはやベテランのゼロの者さんです。あとがきで目指せ20冊と書いてあるのですが、この本、何冊目なんでしょうね。検索するとアンソロ本の掲載が多くて随分大量ですが単行本としては16冊目かな? また、更にそのあとがきに、最近女装モノに目覚めたと書いてあるのですが、表紙絵の女の子のカバーをはずすとその下には…。下半身が見えてなければ確かにこっちがいいかもね(w 
 さて内容のほうですが、独特の非現実感がおもしろかったです。1話めは、とある組織に拉致監禁されて顧客の好みに洗脳調教されたあげく性奴隷としてご主人様にご奉仕するように仕立て上げられた(本文のまま)女の子が、訪問する部屋を間違った後、肝心の顧客がどこかに引っ越してしまった後だったという状況に陥り、そのまま間違って訪問した先にやっかいになるお話。その男も最初は普通にこのすごい女の子に引いてたのに、アナルも使っていいと言われて誘惑に負けてしまうという展開はさすが(何が)。ひどい話なはずが微妙にずれた感覚のまま、まあいいか、みたいなノリでプレイをはじめてしまうのに、無意識に流した女の子の涙を見て一気にラブラブなってエンディング。妙な話なのに不思議と違和感を感じないのは私自身おかしいんでしょうかね。おもしろい作品でした。2話目はまったく救いのかけらもない話ですが、ほとんどをナレーションのような客観的な視点で自分を眺めているので、既に壊れているとも言えるし、これまた妙に残酷さが和らいでいる不思議な感覚で読めました。一転して3〜5話の「ちぃまま」という作品は母親が実は吸血鬼で目からビーム(体液)を出したりするお笑い設定で始まるのですが、普通(?)に母子相姦モノでラブラブなのがおもしろい感覚でした。血を吸うとそのまま相手に欲情してしまうのが嫌で息子の血を飲むのを我慢してたりして、本能に流されるだけの話ではないところがいいドキドキ感を出していたと思います。どちらかというと和姦系が多いのですが、明るいだけのお話じゃないのが今のゼロの者氏の作風みたいです。永く描き続けるとメンタルの維持も大変だと思いますが、この独特のテイストは誰もが描けるわけではないので今後も明も暗も織り交ぜた作品を楽しみにしたいと思います。