舞六まいむ/アネドル お姉ちゃんはアイドル

絵柄&魅力:★★★☆☆、設定&話:★★★★☆、愛&エロス:★★★★;、総評&次巻期待度:★★★★

 絵はまだ好みにぴったりはまる作家ではないのですが、購入前の期待からすれば作品をまとめて読んだ結果、以前より好きになった気がします。
 姉と同級生の二人が国民的Gカップアイドルというハーレム状態で話が始まる「お姉ちゃんはアイドル」という作品では眼鏡に対する演出がやけに細かい(w 弟の亮介は多少混乱してたのか眼鏡がはずれた途端に姉をアイドルの萌だと思って欲望をぶつけるのは仕方ないとして、逆に姉の気持ちを知り自分の本当の気持ちを伝えようとした時にとった弟の行動がバカ過ぎ。まじめな顔してたため吹き出してしまいました。騎乗位中の姉になんでわざわざ眼鏡かけさせてんだよ、といいたい(笑 おまけに、眼鏡かけただけでGカップ同級生とアイドルの区別がつかなくなるとか、お約束すぎっw。お話はエロがたっぷり盛り込まれた充実した内容でした。特に、年上らしく優しくリードしてくるかと思ったら急にすねたり怒ったり甘えてみたりと、なかなか魅力的にエロ姉を描いているのが好印象でした。続く「卒業記念日」という作品はベタ展開とも言えるストーリーですが、姉属性を感じさせるツンデレキャラは結構好きかも。
 本の半分以上が読み切り形式で全部が成功しているとは思えないけどストーリーやキャラメイクには全体的に満足しています。絵は今時の完璧な絵師に比べると安定性が足りない印象はありますが、ところどころにいい表情があるためかマンガとして読み始めると、立ち読みで見た印象より良かったです。妄想力で補ってしまえる程度だってことですかね。
 すっきりしないのが「想い射精(おもいで)」という作品。最後のページが十分理解できませんでした。結構悲惨な話なので最後の解釈まできちんとしておきたかったのですが、『最初で最後の笑顔を見た』というのは状況から考えると最悪のエンディングを迎えたということでしょうか? この微笑みは窓の外から?(恐っ) ラス前のページの言葉『嘘つき…』が何に対して言ったかを考えると、それまで何もしてこなかった田中をどこかで救いとしていたのに結局やりたいだけの男だったと感じて絶望したってことかなぁ〜。最後のコマが笑顔だけに話ほど悲惨な印象が残らないんですが哀しい話だと思います。何にしても身籠もったことが悦びに変わった冒頭の作品と対照的でした。