六塚光(むつづかあきら):著者、CH@R(ちゃあ):イラスト/Le;0 -灰とリヴァイアサン-
総評:★★★★☆
- 作者: 六塚光,CH@R
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2009/08/20
- メディア: 文庫
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読み始めは、また吸血鬼の話かと少し食傷気味に感じたのですが、こんな感じでアレンジされた人と吸血鬼との共存世界というのは興味深く読むことが出来ました。連合は自分たちの勢力を伸ばそうと働きかけてくるが、自分たちの島の資源を好きにされるのが嫌な島民たちは連合の力を借りずに海獣の脅威に立ち向かう力、すなわち吸血鬼を確保しないといけない。突然変異で生まれる吸血鬼をたくさんかかえる島は多くなく、しかも一度灰になると転生に5日ほどの時間を要するため、海獣の出没が頻繁になると独立を続けることが困難になる。そういうパワーバランスがうまく働いていて、そこに切り札とも言える転生術を持つ主人公 顕九郎が現れ、島は新展開を迎える。吸血鬼の弱点を改善し、いつでも海獣に対抗できるようにしたいが、弱点がなくなってしまっては吸血鬼をコントロールできなくなってしまう。こういうバランス感覚のある話が描ける作家はなかなか今後が楽しみです。