明月千里(あかつきせんり):著者、mebae:イラスト/月見月理解の探偵殺人

月見月理解の探偵殺人 (GA文庫)

月見月理解の探偵殺人 (GA文庫)

  • (読了日12/17)総評★★★★

 いつものように読書メーターに一言読了メッセージを残そうと思ってたら、一言じゃなかったのでこちらに投稿。
 推理モノ系ラノベ。これからのラノベヒロインはこのぐらい闇(毒)があっても悪くない。月見月理解(つきみづき りかい)はもちろん宮越明里(あかり)も気に入りました。キツイけどそれだけじゃない気がするからかもしれません。
 それにしても、都築初(つづき うい)には理解のお誘いに一度くらい本気で乗って欲しかったです。ディープキスされたり見せられたり、と主導権握られるんじゃなく...。その時、彼女が生娘らしからぬ反応を示したなら彼女の重い告白の一部に真実が見えた気がします。初がヘタレなせいで結局彼女が語った父親との過去に真実はあったのかどうかがわからなかったです。そういう過去があるからこんな性格になったというのはわかりやすいですが、そのまま受け入れられない気がして事件の真相より気になりました。
 そういえば(細かいことですが)、初の妹の遥香が3分後に帰宅するのを言い当てたのって種明かししてくれたっけ?読み逃したかな。それに、都築家では理解が車椅子に乗ってきたにしてはスムーズに生活しているのが少々違和感ありました。抱き抱えられて移動してたようですが、かなり立派な車椅子が傍にある割に車椅子の移動を想定してない造りによる狭さや段差などが感じられませんでした。それこそ見てない間に自由に立って歩いてたのかもしれませんが。
 すべて抵抗なく頭に入ってきたわけじゃありませんけど、読後感としては結構好きな作品のものだったと思います。mebaeさんのイラストも随分演出に加担しててよかったです(あるページではちょっとドキッとさせられました)。なおイラストでは理解の腰のあたりに「69」の文字がありますが、作中では『小さな記号のようなタトゥー』としか書いてなかったと思います*1。意味ありげな数字を著者が文章で描写してないのにイラストにはっきり描くのってどういう演出なんでしょうね。とりあえず2巻への布石として期待しておこうと思います。

ついでなので、先日読み終わった本の簡易感想もここで放出。

*1:これも読み逃してるのかな