よしづきくみち/君と僕のアシスタント〜タイムトラベル春日研究所〜(1)

絵柄&魅力:★★★★★、設定&話:★★★★☆、愛&エロス:★★★★☆、総評&次巻期待度:★★★★★

感想:読了日1/7

魔法遣いに大切なこと」のよしづき氏の最新刊です。タイムトラベルといえばつきもののパラドックスがありますが、この物語に登場するタイムトラベル装置は、ある市内全体を20年間スキャンしたデータを元に

物理・物質・霊質構造を被験者の脳内に投影し特定の時空を再現

するというもの。つまり、その時空で被験者が起こした行動はそのまま脳内構築世界に反映され、実際には起こらなかった世界を過去に遡って体験できるわけです。結果、そこでの記憶を持ち帰ったとしても現実の時空にタイムパラドックスを与えないという理屈。なるほど、いろいろ考えますねぇ〜。まあ技術面以外にも突っ込み満載*1なんですが、それは厳禁ということでw。作中にこの仕組みが2002年にエド・ミッチャーが書いたSF小説「時間蘇生」と似た感じと書いてあったのですがググっても出てこなかったので、よしづき氏のアイデアでしょうか。
 さて、この装置を父から引き継ぎ完成させて、現在脳内タイムトラベルを体験してもらうサービスで生計をたてているのが、タイムトラベル春日研究所所長の風見鶏亜紀。これで食べていけることが驚愕です。お話のほうは、過去の自分やその周りで起こったことを確認し、これからの道を見つけようとする依頼者にまつわるエピソードが語られるヒューマンドラマになっています。4話目は油断すると涙出そうになるほどいいお話でした。6話目では亜紀にまつわるお話が始まり、8年前から始まった謎が明かされようとしているところで2巻に続く…。買うしかw  まあその前にこの作品の原点らしい短編集「君と僕のアシアト (よしづきくみち短編集) (ジャンプコミックス デラックス)」が出ているそうなのでチェックしておかないといけませんが。
 清潔感ある絵柄ですからどうしても毒のない暖かみのあるストーリーづくりも欠かせないと思いますが、よく出来てると思います。こんな風にSFという設定を使った作品は大変興味あるので、これからも書店で探しながら読んでいきたいと思ってます。そういえば先日読んだ、倉橋ユウスさんの「恋愛遊星」というお話もよかったです。ここには全然記録もしてませんでしたが…。一応読書メーターには一言感想書いてあったので以下に転記。

*1:特にエロいことは考えないように