けものの★／ネガティブ・ツインタワー！(1)
- 作者: けものの★
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2010/01/12
- メディア: コミック
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感想：読了日01/13：追記01/16
でかい女もマンガなら、これはこれでイイっ！そんな感想。ちょうど先日、駅の連絡通路を歩いていると向こうから、背の高い男が女子高生二人を両脇に密着させて歩いてるのが見えて、チッ、この○○○が、と言ったかどうかはさておき、声が聞こえる程度に近づいたところで、「絶対○○って女に見えないよねぇ〜」の声。よく見たら女っ！？ いるんですねぇ、こんな大女がリアルに*1。まあ、とどのつまり、大女≒空想上の生き物→リアルに居ても男と誤認する私からすれば、冒頭の言葉は最大級の絶賛。
この作品に登場するのは二人の巨女。ひとりはキツネ顔なのに「狂犬」と呼ばれる兵頭要（ひょうどうかなめ）、もうひとりは無表情で氷の視線で周囲を凍りつかせる宍戸真琴（ししどまこと）。ともに高校1年（１５歳！）で１８２センチという長身に収まらず、特に兵頭のちょっと触れただけで教師だろうがぶん殴る凶暴さは通り名以上。しかし実体は照れ屋で怖がりやで小心者の女の子だったりするからおもしろい。コミカルに多少誇張気味に描かれたリアクションは彼女らのテンパり具合をおかしくもあり親近感を感じさせる表現としてうまくハマってました。是非これから読む人に押さえておいて欲しいのは彼女らがまだ１５歳であるということ。物語の多くが二人にスポットライトが当たっているし作品前半で絡んでくるのが男子ばかりで同世代の女の子との違いが気づきにくいのですが、明らかに心の成長よりも体格の成長が先に行ってしまい、周りからの異物を見るような視線はもちろん自分自身が自分のことを把握しきれてない感覚を想像すれば、あのおかしすぎる挙動や表情も単なるマンガ表現とも思えないリアルさを感じるのです。作品の途中でも彼女らの気持ちを読み取ろうとするセリフがありましたけど、真面目な話、単なるハイテンションマンガと片付けず、巨人少女が抱える悩み多き青春ストーリーとしてこれからの展開にも期待しているし、多くの人に読んでほしい好きな作品です。と、綺麗にまとめようとしてみましたが、この動きはやっぱりギャグだな〜w
さて、初見のエロい作品で思ったことですが、これだけのエネルギッシュな表情や動きは今の時代でもこのジャンルにはあまり見かけることがなかったため、むしろ成年向け以外作品の進出は自然なことと感じてます。最近は3D CGというかそういう絵しか受け入れられない読者が増えた影響なんでしょうか、ギャグコミックですら正確にデッサンされた絵柄を使ってネタとセリフや間（ま）で笑わせるような作品が増えたような気がしてましたし、こういう作風の作家さんたちには頑張ってほしいので、けものの★さんには期待しています。
ちなみに、このシリーズは現在もオンラインコミックで連載中です。Ｙａｈｏｏコミックで運営されているため、最新話*2はIEでしか読めないという問題がありますが、現在、単行本発売記念かなにかでしょうか、マンガの吹き出しにあわせて生声がつけられた「＋Ｖｏｉｃｅ」というサービスがこのFLEX COMIXで配信中です。いちいちクリックしないと再生されないのが微妙でしたが*3...。こちらは、ビュアーが違うおかげでUbuntu上のFirefoxからも問題なく再生されます*4。また同ページにある音なしの第1話もFirefoxで読めます。1月6日配信の第7話まではWindowsが使えてた頃に読み終わってますが、2月以降このままでは読めないんだなぁと思うとやはりなんとかしたい。どっちにしても本は買うとはいえ、オンラインコミック普及の意味でも読むのは続けたいので。
話を戻すと、兵頭さんはどうフォローしても凶悪にしか見えない表情を出すし、過敏過ぎる反応ですぐ手（拳？）が出るわ、おかしな挙動をするわで、かなりクセのある女性。ただ唯一緊張しない宍戸さんの前では柔らかく優しい表情に溢れ、豊かすぎる表情に目が奪われる魅力の少女。この2面性がいい感じにドタバタ感を生み、ハイテンションにもっていってくれます。スナイパーの能力を持ってるのには笑いましたが、かなり身体能力が高いのでスポーツなんかで大活躍しそうなんですけど、破壊力ありすぎでした（お約束ですけど）。一方の宍戸さんは、ほんとにちょっとでも普段から笑みが出せれば、身長に相応しいイイモノ（おっぱい）持ってるし、手が出ない分は兵頭さんよりは人気出てもおかしくないところ。また、主要登場人物としては、後半からは兵頭さんに助けられたことがきっかけになり、噂とは少し違う部分を感じ始める女の子が登場。ドタバタに巻き込まれた恐怖から（笑）思わず「お友達から始めませんか」と言ってしまい、メアド交換。さらにその女の子を愛でる変な子も加わり、はたして本当にお友達はできるのかというところで次巻。なお、本にはWEBでも公開されてないおまけストーリー6.5話も収録されてました。
