まよねーず。/少女型性処理用肉便器

絵柄&魅力:★★★★☆、設定&話:★★★★★、愛&エロス:★★★☆☆;、総評&次巻期待度:★★★★

少女型性処理用肉便器 (MUJIN COMICS)

少女型性処理用肉便器 (MUJIN COMICS)

 久しぶりに覚悟して読みました。かつて通った鬼畜マンガかといえばそうじゃないんですよね。とにかく頭は空っぽに、下半身もまっぱにして(してませんw)まよねーず氏の描くエロマンガ世界にダイブっ!
 そこは心も身体も美しい人だけがなれる肉便器さんが憧れの職業。香織は幼い頃から自分もそうなりたいと願い、3000人に1人という確率で選ばれ、喜ぶ両親を前にその道に進むことを決める。国選便器訓練学校に入学した香織は始めての授業で乾いたままの膣を名も知らぬ男に貫かれ破瓜の痛みを味わう。その日は痛みのショックで泡を吹いて気絶。薄れる意識の中で傍らで『頑張れ香織っ』と友の声。そんな楽しい学校生活も過ぎ、卒業。香織の最初の職場は団地前。首、両手、腰を木枠で固定され、尻を突き出したまま、お外で初仕事。朝から夕方まで休む間もない重労働です。2年目は屋根のある公園の公衆便所が仕事場になりました。そこで3年間懸命に働いた結果、5年目にして駅前の公衆便所に配置替えです。訓練学校時代の親友や公園で一緒だった先輩とも再会。8年目、ついに香織の利用回数は10万回を超え、表彰されます。よく利用してくれる坂上さんにいつものように頭を撫でて褒めてもらいたかったのですが、10万回と聞いた坂上さんは…。そうだよね、便器だもんね、私。9年目には近所の小さな公園の便所に移動。ちょっと粗っぽい利用者が増えました。最初は体つきも子供っぽかった香織ですが10年目を迎える頃にはお尻にも肉がつき身体も顔付きも大人の女性になったようです。夜中の12時ちょうど膣奥で精の暖かさを感じながらお勤めは終了。この仕事は10年で定年を迎えます。総利用回数は18万7千回余り。ラスト2年で8万回以上ですか…。役所で手続きを終え首輪を返却した香織の前に現れたのは花束を抱えた父。大きな役目を終え、父に頭を撫でられながら香織は幸せな笑顔…。もちろんその後は幸せな人生。可愛い娘も立派な便器さんになれそうです。
 以上、1話めで語られた肉便器さんの10年をそのまま紹介させてもらいました。この世界をすんなり受け入れる鍵はまさに肉便器が立派な仕事であるということを受け入れること。優しくされ嬉しいこともあったけど、良いお客ばかりじゃない。そんな大変な仕事を最後までやりとげたからこそ幸せを手に入れたんでしょうね。
 ふぅっ。もうね、無理に現実世界のモラルなんぞに照らし合わせようとすると何ともいえない不快感が押し寄せてきて結構きつかったです。だめだよ、この世界の男どもは。完全に穴を利用しているだけ。穴を持ってたのが女性だったって感覚でしょうか。愛のカケラも見えない。
 まさにそんな感覚をより明確にさせるお話も多数収録されてますが、それでもプロジェクトX風の「ぐるっと経済日曜日」という作品は素で笑ってしまいました。バカすぎ(笑 ある社員はふと立ち寄った便所でつながれた女性を目にして、会議で肉便器開発を提案。誰も良い反応を示さず『売れるはずがない』と一蹴。そんな時その企画書を目にした社長が言った一言が妙にツボりました。
 昔からあるジャンルで分けるならやはり鬼畜系でしょうか。随所にひどい扱いもあり、終始、普通の女の子に見えるけど、ただの女性型性処理用肉便器なんだと思うしかない。いや事実そうなってるんですよね、この本の描く世界では。結構よく考えられている演出もあり、単なるネタ漫画だと片付けられないセンスを感じました。決してお奨めする気はありませんが、あのゴブリン氏を絵は言うまでもなく世界観でも大きく超えてくれた作品だと思います。大変おもしろかったです。